平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−97

専門分類

8

研究課題名

人間関係意識の国際比較方法の研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

欧米諸国における歌舞伎公演アンケートの分析や中国の社会調査結果を基にして、各国間の感動の構造・人間関係意識の国際比較を行う。これらのデータを通して、新しい視点に立つ分析方法を開発し、国際比較研究・国際相互理解の核となる情報をとり出す。


本年度は、主に中国、台湾における調査結果の分析とまとめが中心となった。中国本土の調査はしばらく公開できない状態にあったが、それが可能となったので、改めて分析をおこなった。
本調査はハワイ大学イーストウェストセンターのG. Chu教授が中心となって行なったもので、林知己夫、飽戸 弘が参加している。昨年行なった日本におけるこれと比較のための調査の結果と合わせ、中国と日本における、人間関係意識、働くことに対する意識、近代化と伝統文化に対する意識を探求してきた。
また、中国蘭州でも共同で調査が計画されており、まずそのプリテストがなされた。この分析はまだ進んでいないが、今後、本格的な調査を前提にしたもので、比較可能な調査項目の設定などのために重要なデータである。そこでとりあげられた質問は非常にローカルな色彩が強くなっており、いかに共通質問を取入れ独自の質問も活かして独自のあるいは共通の意識を引き出せるか、蘭州側研究者とまず方法論からの協議を親密に進めることも大切である。
社会調査による意識の国際比較は、これまでに特別推進研究で行なった5ヵ国調査でも研究されてきたが、アジアの国々、中国の周辺民族に対しての比較においては、また別の問題も発見された。同じアジアではあるが、近代社会という意味では非常に異なるので、共通の質問項目をいかに作成するか、広大な地域の多民族国家の人々をどう抽出し調査するかなどである。
比較可能な調査方法を探りながら本調査の準備を進めた。さらに台湾・香港の調査も別に研究費を申請して行なう予定であり、日本と中国、東南アジア諸国の人々の意識の比較を、アジアにおける国際比較方法論の確立を考えながら計画を構成した。これら本共同研究の成果は今後の研究発展につながる大切なものとなった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Hiroshi Akuto, Godwin Chu, Chikio Hayashi : Continuity and Change in Japanese Culture Journal of Communication Arts, 1991.
Godwin Chu, Chikio Hayashi, Hiroshi Akuto : Comparative Analysis of Chinese and Japanese Cultural Values, (投稿中)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

歌舞伎公演アンケートについては、特に自由回答について詳しい分析を進める。さらに、アンケートの質問に検討を重ね、新たなデータを集めて分析する。
また、中国本土と台湾の社会調査データ、それと比較のできる日本国内のデータとから、比較するべき問題が抽出されてきているが、その他の東南アジアの国々の調査結果や、特別推進研究で得た5カ国調査ともあわせ分析を進める。台湾においては新たな調査も計画されており、新しいデータが入手できる予定である。
国際比較研究の核となるのは人間の感動の構造・人間関係意識であり、これについての情報をひきだす。これは統計数理研究所の長年の国民性研究、国際比較との関係が大きく、共同研究の必要性がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

飽戸 弘

東京大学

岩男 寿美子

慶應義塾大学

河竹 登志夫

早稲田大学

鈴木 達三

帝京平成大学

鈴木 裕久

東京大学

中村 雅子

横浜商科大学

林 知己夫

統計数理研究所