平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−108

専門分類

5

研究課題名

視聴行動のパターン認識に関する研究

フリガナ

代表者氏名

コマザワ ツトム

駒澤 勉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

名誉教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

計算機の発明以来、いろいろな対象について、パターン認識の可能性が検討されてきた。動くヒトの顔認識もパターン認識の一つである。本研究はテレビの視聴行動を自動的に把握するための顔認識、個人識別の方法論の研究、それにもとづいた個人視聴測定システムの開発研究を行う。


計算機の発明以来、いろいろな対象について、パターン認識の可能性が検討されてきている。動くヒトの顔認識もパターン認識の一つである。本研究はテレビの視聴行動を自動的に把握するための顔認識、個人識別の方法論の研究、それにもとずいた個人視聴測定システムの開発研究を行った。
本年度の研究は個人視聴率測定システムの中心となる認識システムについて、ワークステーション上に捕捉から識別までの認識に必要な機能ブロックを実現し、実際状態を撮影したビデオ入力によって、顔情報の捕捉追跡、切り出し、識別等の各ブロックの手法の有効性を確認するとともに、より目的にかなったアルゴリズムの開発を行った。
認識システムは図で示す機能ブロックと情報の流れによって検討した。(1)捕捉追跡ブロックでは入力画面から識別対象者を抽出し、その動きを追跡する。一度捕捉した識別対象者は識別の可否に拘らず追跡し、過去未来に渡って識別の必要の有無、識別状態などを固定情報ブロックに登録記憶して、参照に用いる。
(2)切り出しブロックでは識別対象者の顔(照合部分)を切り出し、正規化は切り出した顔を照合できる状態に変換する。
(3)識別ブロックでは正規化された照合部分を登録された顔と照合、誰に最も近いかを判定する。
(4)後処理ブロックでは判定された結果を追跡上の過去データと矛盾がないかを確認し、また判定出来なかった結果は追跡データ上で誰であるかを推定する。追跡上を含め、判別不能なデータもここでAI、統計的データ処理などを利用し、認識を行う。
研究では、各ブロック機能の有望手法の確定とアルゴリズムの開発のため、ワークステーションにより実験システムを構築し、各手法の実験を行い、認識システムの確立を目指した。平成5年度も研究を継続して行う計画である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究は、具体的に視聴行動を測定するために、実際の家庭環境下におけるテレビ視聴エリアの室内をITVテレビなどで撮像した2次元画面から、複数の動くヒトの追跡補足手法、顔部分だけを切り出す手法、個人識別の固定方法などの研究を行う。
従来の研究は認識対象の背景を無色に近くして対象を切り出ししやすい画面からであったのに対して、本研究では複雑かつ時時刻刻変化する生活空間の中で認識対象を検出・切り出しする方法論の開発が特徴的研究である。個人識別法の研究に関しては2次元画像によるパターン認識が中心になるが、高次局所自己相関の特徴の利用、低解像画像による識別法の研究開発も行う。これらの研究を実施するに当たっては、統計科学と情報システム工学分野との共同研究が不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

阿部 聡

東京大学大学院

遠藤 孝信

電気通信大学大学院

杉浦 信行

電気通信大学大学院

Dai Bao

信州大学

中野 康明

信州大学

中村 公治

東京大学大学院

前川 守

電気通信大学

宮尾 秀俊

信州大学