平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−53

専門分類

6

研究課題名

電波干渉計データに基づく統計的画像形成処理

フリガナ

代表者氏名

イシグロ マキオ

石黒 真木夫

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

電波干渉計データには,系統的あるいは非系統的な誤差が含まれている。
電波干渉計データから電波源画像を合成するには,こうした誤差を考慮した統計モデルを開発する必要がある。本研究では,昨年度に引き続いて,2次元電波源分布を推定するための統計モデルの開発と計算法の改良を進めると共に,周波数軸方向での分布も考慮した3次元電波分布の推定にも取り組む。


1.統計的モデリングによる方法の有効性を実データ解析への適用実験によって確認した。具体的な内容は以下の通り。
(1)データ解析の精度をあげるために利用されているセルフキャリブレーションの方法が統計学の立場からは,事前情報の有効利用を図るための手段として,モデリングの選択の問題として扱える事が明らかになった。
(2)従来行われている(LEAN法において,画像要素があり得る部分を指定する方法が,やはり統計的情報処理のモデル設定とみなす扱いが有効である事が分った。画面上の広い部分を画像要素のあり得る領域として設定する事は,より自由度の高いモデルを採用する事にあたり,有限なデータからの画像回復にあたって,データ数に比して過度な自由度を結果し,いわゆるオーバーフィットの現象が起る。
これを避けるための領域設定が有効ではあったがその設定はこれまでの所,多分に主観的であった。この方法をモデルの自由度の制限と見なすことによって情報量規準による統計的モデル選択の方法が適用できるようになる。
画像形成の処理の中で,モデルの実質的な自由度の推定を効率的に行う方法の研究が今後の課題となる。
2.電波天文学におけるデータの集積,伝達,利用の実態にもとづいて統計的データ処理につなげるためのネットワーク,インターフェースの整備も順調に進行した。
今後ますます,大量データへの統計的モデルフィットの方法の適用が柔軟に行えるようになると考えられる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ERIDANUSシステムによる野辺山との間のデータ通信を利用しつつ,実データ解析の経験を積みながら高速データ解析技術の開発を図る。非ガウス分布の利用によるパフォーマンスの向上にも取り組んでいく予定である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 正人

国立天文台

柏木 宣久

統計数理研究所

春日 隆

国立天文台

田辺 國士

統計数理研究所

近田 義広

国立天文台

森田 耕一郎

国立天文台