平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−36

専門分類

3

研究課題名

船体運動の時系列解析

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

外洋を航行中の船体の運動は多くの変数が互いに関連し、しかも風波の影響を強く受けている。したがって、船体運動の解析のためには、多変量の時系列解析が必要となる。今回の共同研究では、最近急速に進歩した状態空間モデルやベイズモデルにもとづく時系列解析法により、船体運動に関連するさまざまな問題を解決することを目的とする。


海洋を航行中の船から波の方向などを正確に測定することは意外と難しい。本研究では船体動揺データおよび船体の応答特性を利用して波の方向スペクトルを推定する方法の開発を試みた。すなわち、波の性質と船体の応答特性から船体の動揺が記述できることを利用し、その逆問題を解くことにより波の性質を調べようとするものである。実際の推定にはベイズモデルを利用した。
現在、東京商船大学の練習船で実験を行い、開発した方法の推定精度の検証を行った。その結果、ベイズモデルを用いた方法により従来の推定値より高い精度で波の方向を推定できることがわかった。
このほか、プロペラ雑音の伝達経路に関する研究、横揺れ・係留運動の高次スペクトルによる解析も試みた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

大津皓平、井関俊夫、Stattistical Analysis of Ship Motion under Sea Waves and
its Control,51st Session of ISI,1997年8月23日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

以下の3つの課題を目標として必要な実験、データ採取、データ解析、モデリング、実船実験による検証を行う予定である。1。プロペラ雑音の伝達に関する研究 プロペラの発生する高周波雑音が船内に伝わる経路について、実船実験データにもとづいて解析する。実験は東京商船大学の練習船で行い、主に多変量時系列モデルにもとづくシステム解析を行う。2。ベイズモデルによる方向スペクトラムの推定。海洋を航行中は波の方向などを正確に測定することは意外に難しい。新しいベイズモデルを開発し船体の動特性と船体の動揺データから波の方向スペクトルを推定する方法を開発する。3。横揺れ、係留運動の高次スペクトルによる解析。バイスペクトルなどを用いて船体運動の非線形性の解析を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

井関 俊夫

東京商船大学

大津 皓平

東京商船大学

南 清和

東京商船大学