平成302018)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

30−共研−2072

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

5

研究課題名

自動運転技術におけるドライバーの運転動作モデリングに関する検討

フリガナ

代表者氏名

ミヤサト ヨシヒコ

宮里 義彦

ローマ字

Miyasato Yoshihiko

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

15千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 運転者・乗客共に楽しく運転・移動できるための統合的な車両制御系の検討は行われておらず,運転者の運転の楽しさについては車両?運転者系のモデルに基づく制御の研究が主体であり,快適性の研究が車両?運転者系における制御系の観点から統合的に検討されていない.そのような現状を鑑みて,運転者・乗客共に楽しく運転・移動できるための統合的な車両制御系の研究を進める.特に車両?人間(運転者と乗客)系の統計モデルを構築してその知見を活用することによって,従来以上の結果を達成する車両制御系の設計理論の追求を行う.
 共同研究者の荒川は2018年度までの成果をもとに,自動運転への依存や過信を加味したドライバモデルを検討した.まず,そもそも,過信はなぜ生じるのかという根本的な問いから検討を開始した.過信は,機械側の機能限界に対し,ドライバの,機能に対する信頼が上回ることによって生じうる現象であることに着目した.これを踏まえて,過信とは,「システムが対応できる状況」と「システムが対応できない状況」,「信頼」と「不信」から構成される二軸において,「システムが対応できない状況」かつ「信頼」から構成される象限にある状況のことを指すと考えた.依存と過信についての詳細な検討は今後詳細に検討をする必要がある.本年度の内容を踏まえて今後のドライビングシミュレータによる実験およびドライバモデルの検討を進めていく.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

<論文>
・ Toshiya Arakawa, Ryosuke Hibi and Taka-aki Fujishiro: Psychophysical assessment of a driver's mental state in autonomous vehicles, Transportation Research Part A: Policy and Practice (in press).
<解説>
・ 荒川俊也: レベル3以上の自動運転との正しい付き合い方とは? ー 自動運転システムへの依存および システム破綻後のドライバ状態の観点から ー, 車載テクノロジー, 2019年2月号, pp.6-11 (2019).
<学会発表>
・ 荒川俊也: 自動運転システムに対する依存とシステム破綻時のドライバ状態に関する考察, 計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2018 (2018.11.26).
・ 荒川俊也, 日比亮輔: 自動運転継続期間がドライバの運転行動に及ぼす影響の基礎的考察, 自動車技術会2018年春季大会学術講演会 (2018.5.23).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

H30年度は研究会は開催しなかった.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

荒川 俊也

愛知工科大学