昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−70

専門分類

8

研究課題名

ハワイ・ホノルル市民調査の経年比較分析

フリガナ

代表者氏名

スズキ タツゾウ

鈴木 達三

ローマ字

所属機関

帝京平成大学

所属部局

情報学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

3回にわたるハワイ日系人調査および1977−78年,1983年両度のハワイ・ホノルル一般市民調査により社会環境の変化と意識構造の変化との間の相互関連のあり方を研究する。とくに日系人については二世世代の高齢化および三・四世との交代に伴う意識構造の変化過程について日常生活における“日本との関連度”の指標の有効性を検討し文化変容のあり方を考える。また一般市民調査のデータにより日系・非日系ハワイ生れ・非日系本土生れ各グループ別の変化を検討する。


1972年,1977−78年および1983年の3回にわたるハワイ・ホノルル日系人調査資料および1977−78年,1983年両度のハワイ・ホノルル一般市民調査資料を用いて,社会環境の変化と意識構造の変化との間の相互関連のあり方を検討した。とくに日系人については二世世代の高齢化および三・四世世代との交代(社会活動の面における)に伴う種々の側面における変化の過程について検討し
1.日常生活における“日本との関連度”の指標が世代交代に伴う意識構造の変化を示すよい指標となることが認められた。また,
2.この“日本との関連度”指標の内わけを“言語関係”,“日本に関連するマス・コミ関係”,“近隣関係”等に分けて考察すると世代を区分する有効性は言語,マスコミ近隣の順に下がることはこの10数年間不変であるが社会環境の影響も認められ日本語を話すかどうかのウエイトが低下していることがみられた。1970年代はじめと現在とでは日本との関連のあり方も相当変っているので今後の推移に注意すべき点である。
さらに,ホノルル一般市民調査資料も加えて分析を行い,比較研究の基本と考えられる「社会環境」,「文化」,「民族性」の三つの基本要因について,日系各グループ,非日系各グループ間の比較における影響度を検討した。
“義理人情”に関連した意見項目では「社会環境」より「民族性」が優先すると考えられるが「生活の質」に関する意見項目では「社会環境」が優先している。また個々の項目でみると,たとえば宗教に関する項目ではコウホート分析の結果,戦争というような大きな社会環境の変動に当ってはこの影響がはっきり示され「文化」「民族性」より優先していることが示された。
この他1988年調査に向けて質問項目の検討を進めとくに中間項を含む質問について日本語・英語両調査票に対する回答の分析検討をおこなった。日本人大学生に対する調査では日本語調査票では他の同年代の日本人の意見と変らないが英語調査票では同年代のアメリカ人学生によく似た回答結果を示している。一方アメリカ人大学生においても英語調査票では同年代の他のアメリカ人と同様であるが,日本語調査票による調査結果は日本人大学生の日本語調査票の結果と類似する結果が得られた。比較調査の調査票構成にあたり主要な点が示唆されたといえる。
この調査結果と別に行っているアラブ人学生調査の結果を合わせて本年1月ハワイ・ホノルルで開催された第3回世界思考会議で発表した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

鈴木達三 1986,国際比較の現状とあり方 月刊「文化会議」昭和61年11月号p34−41
Y.Kuroda C.Hayashi T.Suzuki(1986)The Role of Language in Cross−National Surveys:American and Japanese Respondents Applied Stochastic Model and Data Analysis vol2,No.1−2
T.Suzuki(1987)Language and Attitude:The Role of Language in Thinking across Cultures:in The Proceedings of the Third International Conference on Thinking(forcecoming)(with Y.Kuroda)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

3回にわたるハワイ日系人調査および1977−78年,1983年両度のハワイ・ホノルル一般市民調査により社会環境の変化と意識構造の変化との間の相互関連のあり方を研究する。とくに日系人については二世世代の高齢化および三・四世との交代に伴う意識構造の変化過程について日常生活における“日本との関連度”の指標の有効性を検討し文化変容のあり方を考える。また一般市民調査のデータにより日系・非日系ハワイ生れ・非日系本土生れ各グループ別の変化を検討する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Kuroda Yasumasa

University of Hawaii