平成182006)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

18−共研−2045

専門分類

7

研究課題名

非閉鎖系形態形質の評価における測定法の開発

フリガナ

代表者氏名

ヒラタ ユタカ

平田 豊

ローマ字

HIRATRA YUTAKA

所属機関

東京農工大学

所属部局

大学院共生科学技術研究部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 筆者らは植物の形態形成や育種分野における形態形質の測定や評価,利用をめざし、閉じた形態の客観的測定および評価を簡便に行う方法の開発研究をしてきた。昨年までの共同研究により、閉鎖系となる全縁の葉の形態、例えば葉の形態などを岩田らの開発実用化したフーリエ楕円記述子を用いて解析しその可能性を明らかにしてきた。
 本年はさらにこれらを改良し、閉じない形態でも解析可能なP型フーリエ楕円を使って、形態を解析する方法が鄭らによって開発され、ハスでは極めて有効である点が示された。 これらの成果に基づき、2つの方法の短所、長所をトウガラシとイネで調べた。P型フーリエでは複雑な形態でもとり扱うことができる反面、かなり工夫も必要である.しかし,イネの葉のような閉じない葉では極めて効果的に評価が可能であること、さらに通常のフーリエ楕円ではうまく行かないことなどが分かってきた。これらの比較はすでに学科発表などされている。
 また,さらにこれらの有効データを簡便に迅速にどのように測定し、また非破瓜的に行えるかの検討はおこなわれてはいない。
 こうした、問題点をもちながらも,方法を複数比較検討でき、生物測定やその利用可能性が現実に行われることになったことは、これからの形態形質の簡便で安価な客観的測定と評価のできることを考えればきわめて重要なステップであると考えられる。
 今年度これらを論文や印刷物として公表するにいたり,実際の適用が可能となり,また実用的にも期待されているだけでなく、イネやトウモロコシなどの主要イネ科穀物への適用,応用可能性が広がり,育種における画期的な成果になることが重要である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

成果は以下のような形で論文及び学会発表などとして実現している.


1. 鄭 澤宇・田村義保,P型フーリエ記述子を用いたハナハス花弁先端部の輪郭線による品種識別.育
  種学研究,4:385−390.(2005)

2. 鄭 澤宇・岩田洋佳・二の宮正士・田村義保,P型フーリエ記述子に基づくハナハス花弁の部分的先
  形状特徴の定量的評価.育種学研究,7:133−142.(2005)

3. 鈴木克彰・片野巧・宮沢祐章・網代卓祐・平田豊、楕円フーリエ記述子よるトウガラシ接木変異系統
  の解析.育種学研究8(別冊1):200(2006)
   
4. 木克彰・鄭澤宇・田村義保・平田豊,P型フーリエ記述子によるイネの草型解析 I.幼苗の評価.育
   種学研究,9(別冊2):220.(2006)

5. 平田豊・片野匠・宮沢裕章・鈴木克彰,トウガラシにおける接木変異のメカニズム.農工大科学技術展・106(2006)

6. Numerical analysis of the morphogenessis mechanism in graft-induced variation variation. ISHS, 228.
 (2006)

 また、これらの成果は農林水産省 ジーンバンク事業「イネにおける遺伝資源を利用した新しい定量的

草型解析的法の開発」として展開されることになっている.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岩田 洋佳

農業研究機構・中央農業総合研究センター

田村 義保

統計数理研究所

二宮 正士

農業研究機構・中央農業総合研究センター