平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2016

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

3

研究課題名

非線形振動子ネットワークのマルコフ連鎖モンテカルロ法による最適化

フリガナ

代表者氏名

イバ ユキト

伊庭 幸人

ローマ字

Yukito Iba

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

90千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

振動数の異なる非線形振動子系の引き込み現象は,典型的な非線形現象のひとつであり.脳,心臓,絨毛など生体器官のモデル,また,生物集団の協調行動,化学反応,レーザーなどのモデルとして,広く研究されてきた.本研究では,非線形振動子ネットワークの設計問題(逆問題)を,マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)によって研究する.本研究の特徴は,実際にMCMCの各ステップごとに,振動子系のシミュレーションを行って引き込みの度合いを与える各種の規準(位相秩序変数.振動数秩序変数)を評価することである.これを結合の絶対値の総和に関する制約(L^1拘束)とあわせて,マルコフ連鎖モンテカルロ法による最適化・サンプリングの結果として生成されたネットワークの性質を調べ,解析的な手法で答が予想されている場合はそれと比較する.
今年度は拡張アンサンブル法の一種であるレプリカ交換モンテカルロ法を実装することにより,最適化だけでなく,条件を満たす多数のサンプルを作成し,この結果から.引き込みに関する一定の条件を満たす領域の相対的な超体積(エントロピー)を推定した.位相秩序変数と振動数秩序変数の場合の違いなど,興味ある結果が得られている.また,まだ予備的な段階であるが,サンプリングによって得られた多数のサンプルの集団の構造について,多次元尺度法(MDS)や機械学習の手法であるNMFなどを適用した解析を試みた.これらの結果については,物理秋季大会で発表した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

伊賀志朗,吉井義裕,伊庭幸人,青柳富誌生
引き込みを最適化する位相振動子ネットワークの多様性−拡張アンサンブル法によるアプローチ
日本物理学会秋季大会 盛岡2008.9.22

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

青柳 富誌生

京都大学

伊賀 志朗

京都大学