平成25(2013)年度 共同利用登録実施報告書
| 課題番号 | 25−共研−4 | 分野分類 | 統計数理研究所内分野分類 | a | ||
| 主要研究分野分類 | 7 | |||||
| 研究課題名 | Rational GARCHモデルによる時系列解析 | |||||
| フリガナ 代表者氏名 | タカイシ テツヤ 高石 哲弥 | ローマ字 | TAKAISHI TETSUYA | |||
| 所属機関 | 広島経済大学 | |||||
| 所属部局 | 経済学部教養教育 | |||||
| 職 名 | 教授 | |||||
| 研究目的と成果の概要 | 
| 金融データの時系列解析によく用いられるモデルとしてGARCHモデルがある。GARCHモデルには様々なタイプのモデルがあり、一般にはモデルのボラティリティプロセスが過去の収益率の多項式であらわされる。ボラティリティプロセスを多項式で近似することが必ずしも一番良い訳ではないので、本研究ではボラティリティプロセスを有理関数で表したGARCHモデルを提唱し、他のモデルとの比較を行った。有理関数は非対称なボラティリティを表せる一番簡単な関数を用いた。モデルの推定はベイズ推定によって行った。ベイズ推定の実行にはマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた。比較する非対称なGARCHモデルはEGARCH,QGARCH,GJR-GARCHモデルを用いた。また、対称なGARCHモデルについても比較を行った。モデルの有効性については、情報量基準のAICとDICによって比較を行った。その結果、Rational GARCHモデルは対称なGARCHモデルよりは常に有効であったが、EGARCH, QGARCH, GJR-GARCHモデルとの比較では、どの時系列データを用いるかによって、Rational GARCHモデルが有効な場合やその他のモデルが有効な場合とに分かれた。これは、Rational GARCHモデルが非対称GARCHモデルとして常に良い訳ではないが、これまでに提唱された非対称モデルと同等の有効性を持っていることを表していると考えられる。 |