平成111999)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

11−共研−2043

専門分類

7

研究課題名

不正咬合患者に見られる時系列生体情報の統計数理学的検討

フリガナ

代表者氏名

ソウマ クニミチ

相馬 邦道

ローマ字

Soma Kunimichi

所属機関

東京医科歯科大学

所属部局

歯学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、昭和62年度より東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第1講座所蔵の不正咬合者および正常咬合者の
データを基に、咬合の成因に対する機能的因子の関与について、主に、多変量解析を用いて検討することにより
進められてきたもので、一連の成果をあげてきている。
 本年度は、さらに詳細な、諸要素の相互関連性の検討のために、以下の2つに検討を加えた。
 1.下顎運動に伴う統計部運動の解析:
 下顎運動と頭部運動の関連性に着目し、不正咬合・筋疼痛機能障害の成因との関わりを明らかにする事を
目的として現在、研究を行っている。平成11年度においては、まず被験者を正常咬合者に絞り、咀嚼運動時の
下顎運動および頭部運動の同時記録を行い、その時系列データについて運動開始時間に着目して、Paired-t test
による統計解析を行った。その結果、下顎運動と頭部運動の間には何らかの関係が存在する可能性が
示唆された。現在、その機能的意義の解明に向け、数学モデルを作成し更なる検討を行っているところである。
 2.歯周組織および歯髄におけるエンドセリンの分布:
 これまで、本講座では咬合機能の有無によって、歯根膜の微小血管の形態および機能が大きく変化する事を
明らかにしてきた。このような組織の変化のメカニズムを、解明する目的で研究を継続しているところであり、
今回、その一つとして、血管作動物質・エンドセリンに注目した。一般にエンドセリンは血管内皮細胞が、
産生する生理活性物質であり、その産生は、血流などの弱い機械刺激によって調節されているものである。
エンドセリンの組織変化への関与に関する基礎的情報の取得のため、エンドセリンの分布様相の免疫組織学的
研究を行った。組織切片の染色濃度の評価に分散分析を用いて検討したところ、歯周組織へのエンドセリンの
分布において、正常機能群と咬合機能喪失群との間には、有意差が認められた。この結果、咬合機能の変化に
応じた微小血管形態の変化には、エンドセリンが関与している可能性が示唆された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.松原望,久野昌隆,水口俊介,相馬邦道,下顎運動に伴う頭頚部運動の解析?第1報 タッピング運動時の
下顎および頭頚部運動周期の関連性について,第58回日本矯正歯科学会大会,1999年10月14日発表
2.林祐子,田中愛子,飯田順一郎,相馬邦道,歯周組織および歯髄におけるエンドセリンの分布,
第58回日本矯正歯科学会大会、1999年10月15日発表

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

飯田 順一郎

東京医科歯科大学

石田 哲也

東京医科歯科大学

篠崎 直樹

東京医科歯科大学

杉浦 成昭

日本女子大学

杉山 高一

中央大学

馬場 康維

統計数理研究所

藤田 幸弘

東京医科歯科大学

松原 望

東京医科歯科大学大学院