平成172005)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

17−共研−2023

専門分類

2

研究課題名

多重比較法・変化点解析に関連する多次元確率の計算法の開発

フリガナ

代表者氏名

クリキ サトシ

栗木 哲

ローマ字

Kuriki Satoshi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1. 研究目的

多重比較法・変化点解析において,相関のある多次元正規確率変数の最大値(最小値)の分布関数が必要とされる場面が多い.これはAを多次元ユークリッド空間における凸多面体とし,Z を同じ次元の多次元標準正規分布に従う確率ベクトルとするとき,確率 P(A) = Pr (Z ∈ A) を数値的に評価するということである.アブストラクトチューブという考え方によって,Aの補集合を適当に符号付き錐 Bi (i=1,2,..) に分解できることが知られているので,その各部分に関する確率計算 P(Bi) ができればよい.Bi がオーソスキーム錐,あるいはその双対錐の場合は,適当な変数変換によって確率は逐次数値積分によって計算することが分かっている.本研究では P(Bi) を近似することによって P(A) の実用的な近似公式を与えることを目標とした.

2.研究経過と成果

研究分担者の A.J.Hayter 博士は,外来研究員として統計数理研にH.17年12月9日〜22日に滞在し,その間部分的に研究協力者の三輪哲久博士(農業研究技術研)を交えて,本研究課題に関する討論を行った.本年度の課題として,Bi を原点からの距離が d とする凸錐とするとき,d が大きいときに P(Bi) を近似することを考えた.研究成果としては,次元が小さいときの P(Bi) の漸近評価を与えることができた.
また,本研究課題である多次元確率計算の一つの応用問題として,ランクに基づく統計量の分布の数値計算法について検討した.
さらに,A.J. Hayter 博士は,本研究課題が適用できる別の問題として,線形回帰モデルにおける信頼区間構成の問題を検討した.その結果はプレプリント (Hayter, A.J., Wynn, H. and Liu, W.) としてまとめられている.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Hayter, A. J., Wynn, H. and Liu, W., "Slope modified confidence bands for a simple linear regression model", preprint.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Anthony J. Hayter

Georgia Institute of Technology

二宮 嘉行

九州大学