平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−62

専門分類

7

研究課題名

循環器疾患のリスク要因に関するコホート研究

フリガナ

代表者氏名

タカギ ヒロフミ

高木 廣文

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

高齢化が進むな中で,循環器内科の臨床の場では,従来から言われている発生リスクの対策はある程度浸透しているにもかかわらず,動脈硬化性疾患の増加が大きな問題となっている。本研究は,三重県内の特定地域を研究対象地域とし,当該地域の成人住民について,長期コホート研究を実施し,循環器疾患発生要因を明らかにすることを目的とする。


循環器疾患による罹患・死亡のリスク要因を査定し,予防するために,三重県度会郡南勢町住民を対象としたコホート研究を実施している。調査期間は,平成5年4月1日から平成18年3月31日までの13年間である。調査対象者は,リスク因子の検出が可能なように統計学的に検討され,その結果,相対リスクが3程度のリスク因子を検出できるように,平成5年4月1日現在で40歳以上65歳以下の4910名とされた。
平成7年度中に男778例,女1372例,全体で2150例の対象の生活習慣調査を実施し,データを収集した。男女とも高齢者の割合が高く,平均年齢は男56.6歳,女54.7歳,全体で55.4歳であった。生活習慣尺度について,性差,年齢差についての解析を行った。
1. 生活習慣尺度得点の平均値が男で有意に高かったのは,肉・油脂,高塩分,娯楽,社会奉仕,運動実施,疾病頻度,外向性,自発性の8尺度であった。女で有意に得点が高かったものは,料理の進取性,健康への関心(旧教養尺度),清潔,妻主導型,多愁訴,情緒不安定,共感性,遺伝的健康観の8尺度であった。
2. 男女別に22生活習慣尺度に関して主成分分析を行ったところ,寄与率 5%以上の5主成分が抽出された。第1,第2,第3主成分は男女ともほぼ共通していた。それらは,「堅実な生活の行動指針」,「心身の不安定さ」,「西洋風の食生活」を示すものと考えられたが,女では第3主成分が娯楽と結びついていた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

コホート集団として,三重県度会郡南勢町在住の成人健康者を対象とする。調査期間は平成5年4月1日から平成18年3月31日までの13年間を予定している。循環器系疾患の死亡率や発生率をもとに統計学的に適当な検出力で同定できる標本数から,具体的な対象者を設定し,質問紙に含める検討項目の設定と数量化,また身体状況や血液検査項目などの臨床調査項目の設定など疫学調査として適当な調査デザイン作成を行い,平成5年8月に第1回目の調査を実施した。既存の循環器系疾患のリスクの知見とともに,近年の生物統計学の知見が必要である。平成6年度も同様の調査を実施した。平成7年度も同様にベースラインデータの収集を行う。これに伴い,大量のデータを管理し,解析するためコンピュータ等を含めて,統計数理研究所の施設および人的資源が必要とされる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

垣本 斉

三重県度会郡南勢町立病院

国吉 幹夫

三重県度会郡南勢町立病院

佐藤 俊哉

統計数理研究所

中野 赳

三重大学

松村 康弘

厚生省国立健康・栄養研究所