平成192007)年度 若手短期集中型研究実施報告書

 

課題番号

19−共研−3005

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

地球内部起源の地磁気イベント検出のためのモデル開発

フリガナ

代表者氏名

ナガオ ヒロミチ

長尾 大道

ローマ字

Nagao Hiromichi

所属機関

海洋研究開発機構

所属部局

地球内部変動研究センター

職  名

研究員

配分経費

研究費

40千円

旅 費

2千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地上で観測される地球磁場(地磁気)には、地球内部に起源に持つ成分と、地球外部に起源を持つ成分とが混ざっており、それを分離することが常に問題となる。地球内部に起源を持つ現象として地磁気ジャークと呼ばれるものが存在することが知られており、研究代表者はこの地磁気ジャークを検出するための時系列モデルの開発を行なってきた。この現象を詳しく調べることにより、マントルのフィルタとしての特性(すなわち電気伝導度)についての情報が得られると考えられる。研究代表者が開発した時系列モデルは、三次のトレンド成分、季節成分、AR成分、ノイズ成分の和から成るが、三次の係数がある時刻に急激に変化することを許しており、その時刻をジャークが起こった時刻と判定していた。

研究代表者は、2006年3月より独立行政法人海洋研究開発機構に所属し、長く地磁気観測の空白域であった太平洋地域(海半球)における電磁場観測に従事している。海半球で得られた地磁気データは約10年分であり、この中にも地磁気ジャークが含まれていると考えられるが、これまでに開発した手法を適用して地磁気ジャークの発生時刻等のパラメータを精度よく決定するには、時系列の長さがやや短いと思われる。そのため、求まったパラメータの誤差推定を効率よく行なう方法の開発など、これまでの手法を改良する必要がある。

本共同研究により、地磁気ジャークに関連するパラメータの推定方法の高速化や、推定誤差の見積もり方法を確立するなど、大きな収穫があった。また、本共同研究により得られた成果についてはノ国内外の複数の学会において発表を行なった。今後に得られた成果を論文にまとめ、公表していきたい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

【学会発表】
・ 日本地球惑星科学連合2007年大会(2007年5月、幕張)
マントル電気伝導度に関連した地磁気ジャークの特性パラメータ
長尾大道、清水久芳、歌田久司

・ IUGG(2007年7月、イタリア・ペルージャ)
Characteristic parameters of geomagnetic jerks related to mantle conductivity
Hiromichi Nagao, Hisayoshi Shimizu, and Hisashi Utada

・ 地球電磁気・地球惑星圏学会(2007年9月、名古屋)
Upper constraint on the mantle conductance estimated from the geomagnetic jerks
Hiromichi Nagao, Hisayoshi Shimizu, and Hisashi Utada

・ AGU秋季大会(2007年12月、サンフランシスコ)
 Constraint on the heterogeneity of mantle conductivity structure obtained
from the geomagnetic jerks
Hiromichi Nagao, Hisayoshi Shimizu, and Hisashi Utada

【ホームページ】
 独立行政法人海洋研究開発機構のホームページ(http://www.jamstec.go.jp/)以下にある
地球内部変動研究センター各所属員の成果ページから参照可能。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所