昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−44

専門分類

6

研究課題名

地球回転運動データの統計数理解析

フリガナ

代表者氏名

カネコ ヨシヒサ

金子 芳久

ローマ字

所属機関

国立天文台

所属部局

地球回転系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

位置天文学や地球物理学に於いて,地球回転運動を精密に決定する事は,基本的に重要な問題である。本研究では,地球回転運動データーを統計数理学的に考察して,その運動の要因を解明し,モデルを決定する。さらに光学観測による地球回転運動データーと新技術による地球回転運動データを比較して,光学観測による国際極運動観測事業を,評価するための参考にする。


地球回転運動の極運動成分の主要な運動であるチャンドラー項のシミュレーション及び解析法の研究を行なった。
1.シミュレーション・プログラムの開発
チャンドラー運動のモデルをベクトル及び複素数で表現して,それらのシミュレーション・プログラムの開発を行った。そのためベクトル表現と複素数表現の比較が可能になった。
2.複数のネットワークより独立な観測値が得られ時の解析法(Cross−Auto Covarianceの応用)
極運動を〓とすると,2つのネットワークの各々のデータは,〓,〓となり,それらの平均値を〓(〓,a,b,はa+b=1なる定数)とする。ここで〓,〓は各々独立な観測誤差とする。Autocovarianceをとると,
Cov(〓)=Cov(〓)+Cov(〓)となり〓のAutocovarianceとして見ればバイアスを含む,一方
(*)〔Cov(〓)+Cov(〓)〕/2=Cov(〓)となりバイアスを含まない。このバイアスはτ=0の時が特に大きい。(*)の式はCovarianceとAutocovarianceの性質をもつのでCross−Auto Covariance(CAC)と呼ぶ。このCACの有効性を調べるため,シミュレーションデータに観測誤差を加えて解析した。結果は,Auto CovarianceよりもCACを用いた方が観測誤差を含まないデータの解析結果に数倍近い値を得た。
この事はCACの優れた実用性を示している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

位置天文学や地球物理学に於いて,地球回転運動を精密に決定する事は,基本的に重要な問題である。本研究では,地球回転運動データーを統計数理学的に考察して,その運動の要因を解明し,モデルを決定する。さらに光学観測による地球回転運動データーと新技術による地球回転運動データを比較して,光学観測による国際極運動観測事業を,評価するための参考にする。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大江 昌嗣

国立天文台

尾崎 統

統計数理研究所