平成262014)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

26−共研−2006

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

捕食・逃避行動における最適経路のモデリング:統計解析による理論と実データの統合

フリガナ

代表者氏名

カワバタ ユウキ

河端 雄毅

ローマ字

Kawabata Yuuki

所属機関

長崎大学

所属部局

水産・環境科学総合研究科 附属環東シナ海環境資源研究センター

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

145千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究目的:
動物行動のモデリング研究は、1日スケールの摂餌や、生涯スケールでの最適繁殖行動など、時間的にも空間的にもスケールの大きいものを中心に行われてきた。一方、動物の一生を左右する行動にも関わらず、捕食や逃避の成否といったミリ秒から秒スケールでの行動に関する研究はほとんど行われてこなかった。これは、一瞬の運動を詳細に計測すること自体が困難であったことに起因する。しかし、近年の高速カメラや加速度センサーの開発により、1〜10ミリ秒スケールで動物の運動をデジタルデータ化できるようになった。そこで本研究では、得られた捕食・逃避行動データをもとに、最適な捕食・逃避行動モデルを開発する。

研究成果(経過):
魚類・昆虫類の逃避時の高速カメラデータを用いて、移動軌跡データを再現した。また、理論的に最も危険(捕食者)から遠ざかる移動経路を理論的に求めた。これらの実データと理論値の差を尤度式で表現することに成功した。以上から、多くの動物において見られる逃避経路のパターンは、最も危険から遠ざかる移動経路を動物が選択するからであることが示唆された。現在、更なる動物種の逃避データを解析し、得られた研究成果の普遍性を確かめる研究を進めている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

河端雄毅. 最適逃避方向理論:動物はどの方向に逃げるのが最適か? 第33回日本動物行動学会, 長崎, 2014年11月1-3日. 【優秀ポスター賞受賞】

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

テーマ:逃避経路の理論と実データの統合について
日時:2014年11月17-18日
場所:長崎大学環東シナ海環境資源研究センター
参加者数:2名

テーマ:捕食・逃避行動における最適経路について
日時:2015年1月4-6日
場所:統計数理研究所
参加者数:3名

テーマ:逃避経路の理論と実データの統合について
日時:2015年3月23-24日
場所:長崎大学環東シナ海環境資源研究センター
参加者数:2名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

島谷 健一郎

統計数理研究所

鶴井 香織

琉球大学

野田 琢嗣

京都大学大学院