平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−84

専門分類

7

研究課題名

ヒトの健康の深度化に関する研究

フリガナ

代表者氏名

コマザワ ツトム

駒澤 勉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

名誉教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

生活環境の変化に伴い、動脈硬化性疾患の脳梗塞および虚血性心疾患の増加傾向が認められる。そこで本研究は昨年度に引き続き、循環器検診を毎年実施している地域住民を対象として、健康の深度化に関して検診・栄養調査データにもとづき、予後分析を行い、健康の予測と予防に役立つ実践的研究を行う。


ヒトの健康に関する生体情報、生活環境や自然環境をいろいろと観測して定量的に評価することは、健康の深度を予測する重要な研究課題である。
健康を害してからの病院における診断・治療の守備型の個人医学は今後ともに、さらに充実させねばならないが、これからの健康問題を考えるとき、病気にさせない各種集団健康診断(循環器系、消化器系など)を中心にした攻撃型の予防医学を積極的に展開する必要がある。この予防医学は保健経済面から見ても今後重要な健康科学の課題である。そこで、これからのQuality of life(QOL)のためにも各々の健康に関する情報(食事・運動・生活調査・各種健康検査)を的確に総合的健康指標化して健康の予知・予防の評価が出来る研究開発を行っている。
特に、本年度は多くの検査結果から体の機能の若さ度を、次の4つの機能によって構成し、総合評価した。(1)静的機能として、心臓を動かすための起電力や感覚など、体を動かさなくても働いている機能 (2)動的機能として、ダイナミックに体を動かすことによって発揮される機能 (3)臓器機能として、各臓器が持っている潜在的な機能 (4)代謝機能として、体のなかの化学的な機能
また、ヒトは加齢とともに40歳以降、各臓器や器官のはたらきが衰えるが、その程度は歳より若いヒトから、衰えているヒトまでさまざまである。歳相応の場合は生理的加齢であり、歳不相応に衰えている場合は病的加齢である。これらの評価を実年齢と比較して、どの機能が実年歳より何歳若いか、何歳老化しているか、主成分分析および数量化分析のデータ解析法を中心に各評価の尺度化を行った。この実践的研究は東邦大学医学部臨床生理機能学研究室との共同研究である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

駒澤勉,長谷川元治(東邦大医)他,頸部動脈系の循環器特性?脳循環動態関係式の臨床適用?,日本臨床生理学会,1992.10
駒澤勉,長谷川元治(東邦大医)他,多数項目による老化の総合評価,日本臨床生理学会,1992.10
駒澤勉,松本清彦(総研大)他,高血圧,高中性脂肪血症,糖尿病合併群(HHD)の動脈硬化発生動態とその要因の解析,日本脈
管学会,1992.10
駒澤勉,長谷川元治(東邦大医)他,発症年代特性と高齢者群の動脈硬化合併動態,日本老年医学会,1992.11

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(財)動脈硬化予防研究会では年間約20万人に及ぶ循環器検診・栄養調査を実施している。また、1975年(約4万人)と1985年(3万5千人)の被検診者に対して発症追跡調査を実施している。これらの大量データを利用して次の研究を行う。平成4年度は経年的な検査栄養所見での健康の深度化指標の開発と予後の関連について分析を行い、検診所見の推移が健康度に及ぼす影響も検討する。
これらの研究を実施するに当たっては、医学専門研究機関との共同研究が不可欠であり、多変量解析法、時系列分析法など種々の統計手法を実証的研究に応用し、予測分析法の新しい発展を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

白井 厚治

東邦大学

鈴木 賢二

(財)日本労働文化協会

高田 浩江

(財)日本労働文化協会

高山 隆雄

東邦大学

長谷川 元治

東邦大学

森 誠

(財)日本労働文化協会

山口 百子

国立健康栄養研究所