平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−93

専門分類

8

研究課題名

心理的ストレスと健康に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

社会や文化の諸要因から受ける心理的ストレスが健康に及ぼす影響のダイナミックについて分析することをめざしているが、本研究では、これまでに完成させたストレス測定のための調査票をもちいて調査を行い、性格とストレスの関係、文化との関係、健康との関係を探ることを目的とする。


ストレスの受けとめ方によるパーソナリティは、いくつかの分類法があり、アイゼンクによるEPQを問題にして、患者のQOLとの関連について、調査による研究を進めた。また健康に対する意識が国により異なることが、7カ国国際比較調査から分かってきたが、それもその属する文化とパーソナリティの違いと考えられる。アメリカ社会における日系人では人種要因と文化の要因を探ることができるが、これに関連する質問を含む調査が、シアトルの日系人に対して行われた。これを分析中である。
また、一方で、HLA抗原遺伝子の民族間の違いがあり、ある種の病気の発生に関連しているが、癌の治療方法の有効性も関連しているのではないかということが見出されており、HLAと民族の関連、パーソナリティとの関連などにつながることが予想される。
そこで、HLA抗原遺伝子の国際比較データの再分析を進めると共に、癌の治療との関連、性格との関連について、データを収集し、分析を進めた。国際比較データの分析では、データの質の問題もあり、厳密でないデータの分析方法として、数量化の方法の妥当性の検討などを併せて研究した。治療との関連については、新しいデータが追加されつつあり、日本でのパターンのタイプ分けは安定してきた。
今後は、HLAと性格・国民性や治療との関連についてを主に研究していくこととする。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

林 文、HLA抗原遺伝子型による新しい人の分類とその臨床結果、第11回QOL研究会、
1998年10月31日
林 文、HLA抗原遺伝子と民族、日本分類学会第15回研究報告会、1999年3月20日
山岡和枝、QOL20の掲示変化、第12回QOL研究会、1999年4月17日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまで、ストレスの受けとめ方によるパーソナリティ調査票(アイゼンク)を日本において実用可能なものとするための研究を進めてきた。また、別のパーソナリティー調査票も検討している。それらによって、社会・文化的要因の違いによるストレスとその受容の仕方を日本国内の一般人およびアメリカの日系人を対象に調査が行われる予定であり、この分析を進める。また、QOLとの関連については一般人に対してデータが集まりつつあり、この分析を進める。 本研究は、医学(公衆衛生衛学)の統計的分析や国民性調査、ハワイ・ブラジルの日系人調査、日米を含む7カ国調査などとの関連が深く、これらの研究の蓄積のある統計数理研究所との共同研究が必要である


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

山岡 和枝

帝京大学

吉野 諒三

統計数理研究所