平成252013)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

25−共研−1007

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

5

研究課題名

リスク防御に向けたデータ同化技術基盤の開発

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ カズユキ

中村 和幸

ローマ字

Nakamura Kazuyuki

所属機関

明治大学

所属部局

総合数理学部

職  名

准教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 災害や人間社会に現れるリスクに対して,これらを防御することを指向したデータ同化手法,ならびに時空間データ解析手法の構築を目的とした.特に,津波遡上と感染症に対する手法を開発しながら,共通基盤技術の構築を目指した.
 津波遡上の問題においては,適切な避難行動を促す為のリアルタイム浸水域予測に使用するシミュレーションパラメータの推定手法開発を行った.具体的には,数値シミュレーション実験ならびに実際の遡上高データと津波遡上モデルを組み合わせた推定と,結果のジャックナイフ法による検証を行った.特に,2次元浸水予測における手法の有効性の示唆を得た.
 感染症の伝搬については,取引ネットワーク上での口蹄疫伝播シミュレーション解析を行った.シミュレーションモデルは,D.M.Greenらによって2006年に発表されたモデルをもとに,日本における牛取引実態に合わせた口蹄疫伝播モデルを構築した.得られたモデルについて,パラメータに対する感度分析を行い,初期伝播に対する市場取引での防疫の重要性に関する示唆を得た.同時に,データ同化を行うための基礎モデルとしての可能性を確認した.
 今後は,津波遡上の問題についてはより現実的な設定における検証を進める.感染症伝播のモデルについては,双子実験などを通じてデータ同化を実際に行い,どの程度状態・パラメータ推定が可能であるかの検証を行う.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

K. Nakamura, Y. Ohya and T. Shiga, "Time series analysis and data assimilation for natural and economic hazards," Joint Meeting of the IASC Satellite Conference for the 59th ISI WSC and the 8th Conference of the Asian Regional Section of the IASC, 2013.
Y. Ohya and K. Nakamura, "A new determination method of manning roughness using tsunami observed data for real-time inundation simulation", 2014 Ocean Sciences Meeting, 2014, Hawaii Convention Center.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

とくになし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大家 義登

明治大学