平成182006)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

18−共研−6008

専門分類

7

研究課題名

感染制御における生物統計学の役割

重点テーマ

生物統計学の深化と展開

フリガナ

代表者氏名

ヒエジマ ヨシミツ

比江島 欣慎

ローマ字

Yoshimitsu Hiejima

所属機関

東京医療保健大学

所属部局

医療保健学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

160千円

研究参加者数

7 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

<研究目的>
近年,Evidence Based Medicine(EBM)など,根拠に基づいて医療行為等を決定していく方法論が提唱され,医療現場に広まっている。感染制御の分野においても例外ではなく,Evidence Based Precaution (EBP)が浸透しつつあり,感染症発症の防止,アウトブレイクの抑止,各種感染制御方法の評価など,根拠に基づいた判断が必要とされている。根拠として特に焦点の当てられているものは,日常のサーベイランスデータや臨床研究のデータ(学術論文等を含む)などである。最近では,SARSなどの流行性の感染症への対処や,在院日数短縮により増加傾向である在宅にてケアを行う患者への感染対策など,感染制御が必要となる範囲も広がってきている。
実際の感染制御においては,不確実な情報をもとに重要な意志決定を下すことを迫られる感染管理実践者には,統計的にデータを収集し処理する,もしくは処理された結果から適切な判断を下す能力は必要不可欠とされている。本研究では,意志決定に必要な情報収集及び分析に関して,生物統計学の寄与の可能性と役割を明らかにし,サーベイランスや分析についての新しい方法論の開発等を行う。
<成果(経過)>
感染制御の現状および問題点を探るために定期的に東京医療保健大学にて勉強会を行った。それにより,現在の日本の医療現場における感染制御においては,まだまだエビデンスに基づく対策の普及は十分ではなく,効果の薄い過剰な対策などのエビデンスのない対策(もしくは,効果がないというエビデンスのある対策)が行われていることが分かった。2005年の「国,自治体を含めた院内感染対策全体の制度設計に関する緊急特別研究」によれば,その例として,手術時の滅菌水による手洗い,医療器材の一次洗浄・消毒などをあげていた。現在の感染制御分野においては,現場においてエビデンスに基づいた感染対策を計画・実施できる人材を育てること,エビデンス導出のためのランダム化比較試験を実施することなどが重要視されており,本研究においても,その研究活動の一環として,感染制御大学院教育協議会が主催する講習会への講師協力や,統計数理研究所重点型共同研究研究集会「科学的証拠を作り込む技法としての生物統計学」において「生物統計家のキャリア・パス」の発表を行った。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

特になし。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大久保 憲

東京医療保健大学(NTT東日本関東病院)

大津 洋

東京大学

谷村 久美

NTT東日本関東病院

藤井 良宜

宮崎大学

柳本 武美

統計数理研究所

渡會 睦子

東京医療保健大学