平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−68

専門分類

7

研究課題名

身長の成長予測に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ショウホウジ タカオ

正法地 孝雄

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

総合科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

肥満児,小人症等の成長異常の早期検出を行い効果的な治療を行うためにヒトの成長予測が手軽に行なえるシステムを構築する。統計学的にはヒトの成長を非線型回帰問題としてとらえ,成長曲線の特性点や非線型模型での逆回帰問題の統計学的性質を明確にする。


健常な成長をしていると思われるヒトの誕生から大学卒業ぐらいまでの成長記録の収集を継続的に行い,データスクリーニングなどを完全に行って計算機で使えるようにした資料を毎年追加し充実している。この一部分は論文の一部分として公表するために投稿中である。各個体の成長の特徴づけを直接に行い,健常成長帯を設定するための成長模型の探索を行っている。また,この模型にベイズ手法を活用して実用的な成長予測を行う手法を模索している。
成果として:身長の成長の特徴づけに当っては,出生時の資料を活用できしかも成長の乳幼児期および思春期成分を特徴づけ得る成長速度曲線が得られた。各個体の成長予測を行うために各自の成長を具体的な尺度を用いてパターンに分類しその各々に対する特徴づけを行った。その尺度としては,初潮発現時年令,思春期発現時年齢並びに発現時身長などが少なくとも日本人女性に対しては有用であることがわかった。
思春期の身長の成長は初潮の時期に大きく関連している。しかし,最終身長は初潮年令には関係なさそうである。一方,最終身長は思春期発現時身長並びにその成長速度との関連性が認められた。例えば,成長速度が大きければ大きい程最終身長は平均として高くなっている。成長予測に経験的ベイズ手法が利用できることがわかった。これまでに提案されているいくつかの良いと言われている成長模型と比較し我々が提案した模型が最良であることがわかった。体重に対しても同一模型のあてはめを試みると,我々の提案している模型が体重に対しても有用であることがわかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

“Growth of Height of Japanese Girls”,Acta Medica Auxologica Vol.21掲載予定:
“On a Growth Model of Human Height”,Growth,Development and Aging,Vol.54に掲載予定。
“Individual Growth of Height and Weight”Statisfical Method and Data Analysis (Ed.Niki)Scientist,Ine.,Tokyo,pp.1−9,1990.
“A Prediction of Individual Growth of Height According to an Empirecal Baepnen Approach”Annals of the Institute of Statisfical Mathematicsに投稿中。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(1)誕生から大学卒業までの成長記録の収集を行い,データスクリーニングなどを行って計算機で使えるようにする。
(2)各個体の成長に対し各々に特徴づけを行い,健常(要注意,異常)成長帯を設定する。年令軸に非線型変換を施して成長曲線の直線化を計り臨床の場でも使えるようにする。
(3)ベイズの手法を活用して成長予測を行う。
(4)成長模型に対する逆回帰問題の統計学的性質を明確にする。以上の研究開発を推進するに当り貴研究所のスタッフからの助言・助力並びに貴研究所の計算機の利用が有用である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

奥野 忠一

東京理科大学

金藤 浩司

統計数理研究所

駒澤 勉

統計数理研究所