平成23（2011）年度　一般研究２実施報告書

 

課題番号

23−共研−2015

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

3

研究課題名

予後因子探索と予測指標構築の方法論に関する研究

フリガナ

代表者氏名

テラムカイ サトシ

手良向 聡

ローマ字

TERAMUKAI SATOSHI

所属機関

京都大学

所属部局

医学部附属病院

職　　名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅　費

43千円

研究参加者数

2　人

 

 

研究目的と成果（経過）の概要

わが国の医療に関する最新情報を得るためには、一次情報である個々の患者の情報を大規模に収集することが必要である。ただし、診療に利用される病院情報システムなどの患者データベースから、信頼性の高い情報を直接得ることは現時点ではほとんど不可能であり、調査目的を明確にし、患者の特性、診断、治療、転帰の正確な情報を最低限含むアウトカムリサーチというタイプの研究デザインに則ってデータ収集・評価することが必要である。アウトカムリサーチには、データ収集システム、データの質管理を行うデータマネジメントシステム、データから有用な情報を抽出するための洗練された統計解析が必須である。本研究の目的は、難治性疾患の予後因子の探索、予測指標の構築の方法論を、実際のアウトカムリサーチから得られたデータを用いて研究することである。
平成23年度は、非小細胞肺癌（文献1）、乳癌（文献2、3）、腎細胞癌（文献4）、アルツハイマー病（文献5）に関する臨床試験・アウトカムリサーチの予後因子解析の結果が公表された。使用した統計解析手法は標準的なCox回帰分析であるが、文献5においては、ブートストラップ確率に基づく回帰樹解析という新規の方法を適用した。
現在、腎細胞癌（根治手術例：914例、遠隔転移例：127例、再発・遠隔転移例：119例）の予後因子解析（京大病院泌尿器科との共同研究）の論文を作成中である。また、間質性肺炎合併肺癌（約2000例）に関する予後調査（京大病院呼吸器外科との共同研究）において、術後急性増悪、再発、死亡に関連する予後因子の探索、予測指標の構築を実施中である。

 

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

1. Tanaka S, Yanagihara K, Tamaru S, Teramukai S, Kitano T, Fukushima M. Difference in survival and prognostic factors between smokers and never-smokers with advanced non-small-cell lung cancer. International Journal of Clinical Oncology 2011 November 10 (online publication).
2. Tsuji W, Teramukai S, Ueno M, Toi M, Inamoto T. Prognostic factors for survival after first recurrence in breast cancer: A retrospective analysis of 252 recurrent cases at a single institution. Breast Cancer, 2012 April 5 (online publication).
3. Matsubara Y, Sakabayashi S, Nishimura T, Ishida T, Ohuchi N, Teramukai S, Fukushima M. Surrogacy of tumor response and progression-free survival for overall survival in metastatic breast cancer resistant to both anthracyclines and taxanes. International Journal of Clinical Oncology 2011;16:623-629.
4. 伊藤哲之、神波大己、小島伸介、手良向聡、三上芳喜、小川修．中央病理診断にて組織学的に確定された転移性腎癌患者の予後調査．日本癌治療学会誌 2011;46:945 (PS81-1).
5. Zhou B, Nakatani E, Teramukai S, Nagai Y, Fukushima. Risk classification in mild cognitive impairment patients for developing Alzheimer's Disease. Journal of Alzheimer's Disease, 2012 Mar 16 (online publication).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

該当なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

松井 茂之

統計数理研究所