平成81996)年度 共同研究B実施報告書

 

課題番号

8−共研−8

専門分類

8

研究課題名

スウェーデンと日本のカップルのダイナミックの比較研究

フリガナ

代表者氏名

カマノ サオリ

釜野 さおり

ローマ字

所属機関

国立社会保障・人口問題研究所

所属部局

人口動向研究部

職  名

第2室長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は、家計調査を通してカップルのダイナミックを測定し、日本とスウェーデンのカップルの力関係の比較を行うことである。今年度は本調査の準備として、調査表の作成、予備調査、本調査のサンプリングの計画を立てることとする。


本年度は、スウェーデンにおいて行われた全国レベルの家族と意識に関する調査と比較可能な調査を日本で行う準備として、調査枠組の検討、スウェーデンと比較可能な調査票の作成、予備調査および本調査のサンプリングの計画を立てた。
具体的には、家族社会学、生活経済学、女性学などの観点を総合して、勢力関係、家事労働の分担、家計責任分担、家族・結婚に対する意識・価値観、ソーシャルネットワークなどについて、ブラットとウルフの資源論アプローチ、規範論アプローチ、資源論−規範論統合アプローチ、ルークスの権力への3次元アプローチなどから導かれるさまざまな仮説を検証することのできる指標を含む調査票の枠組を検討した。
さらに、スウェーデンの政策の歴史的背景の調査や先行研究のレビューを行い、日本の家族、職場状況、政策との違いを検討し、その違いを考慮にいれながら比較可能な調査票を作成した。
その調査票を使用して平成9年6月にパイロット調査を行い、同年9月の本調査実施に向けてさらに検討を行う。
スウェーデン調査との比較の可能性を保つために、スウェーデン調査で使われたサンプリング法と属性の特徴を踏まえ、日本では、二種類のサンプルをとることに決定した。
一つは、専業主婦がほとんど存在しないスウェーデンの状況との比較に意味を持たせるため、日本労働組合総連合を通して、就業している女性にしぼったサンプリングを行い、もう一つは、抽出法をスウェーデンと同じにするという意味で、関西の一地域で選挙人名簿を利用して無作為抽出で行う。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究では、1)日本語の調査票を作成すること、2)それをスウェーデン語に翻訳、日本語へ再翻訳する過程を通して日本語とスウェーデン語において同意味を持つ調査票を開発すること、3)パイロット調査を行って調査票の信頼性や妥当性を検討し、よりよい調査票へと改善すること、4)本調査のサンプリングの計画を立てることを計画している。日本側の研究メンバーの斧出、松田、木村、善積、斉藤はそれぞれの分野で家族関係や家族制度に関する数々の研究を行ってきた。善積、斉藤は度々スウェーデンを訪問し現地で調査を実施できる体制も整えてきた。釜野は様々な国際比較調査に関わってきた。スウェーデン側のホブソンは社会政策とジェンダー、ネスマンは親子関係や家族政策の日常家族生活への影響などの分野の権威者である。この8人のメンバーで、統計数理研究所においての国際比較に含まれていないスウェーデンで調査をすること、カップルのダイナミックという明確な目的を持つ調査に基づいて国際比較研究法を開発する事は本研究所にとって有益であると考える。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

斧出 節子

華頂短期大学

木村 清美

大阪産業大学

斎藤 弥生

大阪外国語大学

Nasman Elisabet

ストックホルム大学

Hobson Barbara

ストックホルム大学

松田 智子

佛教大学

善積 京子

追手門学院大学