平成182006)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

18−共研−1021

専門分類

6

研究課題名

デロネ分割法による地球物理データ解析手法の開発と大規模ベイズモデルの計算アルゴリズムの最適化

フリガナ

代表者氏名

ムラタ ヤスアキ

村田 泰章

ローマ字

Murata Yasuaki

所属機関

産業技術総合研究所

所属部局

地質情報研究部門

職  名

主任研究員

所在地

TEL

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E-mail

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研究目的と成果(経過)の概要

目的:
 重力や地磁気等の大規模な地球物理データは、様々な目的によりデータが取得されていることから粗密の差が大きい。これらのデータから粗密の差に応じた情報を自動的に抽出するため、デロネ分割法を取り入れた解析手法を開発する。

成果:
 研究の成果として整備したソフトウェアは以下の通りである。

1.デロネ三角網構築
 2次元離散観測点データからデロネ三角網を作成する簡便なFORTRANプログラム(delone.f)を開発した。このプログラムでは、デロネ三角網の形成についての最適アルゴリズムの検討は行っていないため、パソコンによる実用範囲は数万点程度であると思われる。

2.デロネ平滑化
デロネ三角網の頂点の値(観測値)を平滑化するプログラムである。ただ平滑化するだけでは無く、三角網の滑らかさを左右するパラメータ(地殻表層密度など)の推定も行える。データの当てはまりの良さとデロネ三角網の滑らかさのトレードオフは、ABICによって決定する。連立方程式の解法として、検証用プログラムではハウスホルダー法、実用プログラム(baydelo.f)ではICCG法を用いた。

3.デロネ等高線作図
 デロネ三角網の頂点の値から等高線図を作図するCプログラム(deloconC.c)を作成した。頂点の値は、観測値、あるいは平滑化された推定値で作図することができる。

上記の3つのプログラムは、地質情報表示ソフトウェアライブラリ(JKGLIB)の一部として公開した。

検証:
 開発したプログラムを用いて、仙台地域、鹿児島地域、岡山地域の重力データを用いて、地殻表層密度分布の推定を試みた。その結果、従来のスプライン曲面を用いた方法と比べて、少ないパラメータで局所的な異常を抽出できることが分かった。しかし、近年の計算機能力の増大によって、スプライン曲面による方法も適用範囲が広がっているため、今後は、どちらの方法もそれぞれの特徴を活かしながら使い分けていく事が可能であることが分かった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

村田 泰章(2007) 地質情報表示ソフトウェア・ライブラリ JKGLIB ver. 2, 地質調査総合センター研究資料集, no.455, 114p, 1 CD-ROM, 産業技術総合研究所.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾形 良彦

統計数理研究所