平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−65

専門分類

7

研究課題名

担癌患者の免疫能把握に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ヨシオ トシフミ

吉雄 敏文

ローマ字

所属機関

東邦大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

坦癌患者は免疫能が低下するといわれている。免疫能についての研究は数多く行われているが,多項目の検討はあまりなされていない。術前・術後の検討結果を利用し多項目の臨床データに応用できる多次元解析法の手法を用いて,免疫機能のデータ構造を検討する。またガン危険因子を究明する実証的研究も併せて行う。


悪性腫瘍においては、宿主の免疫能低下が知られており、低栄養や腫瘍の存在のそのものなどさまざまな原因が影響していると考えられています。
目的:担癌患者、特に進行胃癌における低栄養状態は免疫能低下の成因の一つとされている。この関連性について統計学的手法を用いて検討した。
方法:進行胃癌(stageIII・IV)の26例を対象とし、小野寺の栄養指数PNI(10*alb+0.0051ymph.)に従い2群に分け、PNI40未満16例、40以上10例の両者の非特異的免疫学的パラメータの値を比較検討した。
結果:PNI40未満の群においては、PPD皮内反応 5.9±5.2mmでPNI40以上の群より有意に低かったCD8(+)CD11 bright(+)細胞(%)はPNI40未満群では4.2±2.9とPNI40以上群に比べて高値を示した。しかし、CD8(+)CD11 dull(+)細胞(%)はPNI40未満群が高値を示す傾向であった。
まとめ:進行胃癌患者に低栄養状態が加わると、PPD皮内反応の低下、Suppressor T細胞の増加など、担癌の影響に加えて、さらに免疫能が低下するが、NK subsetには増加傾向がみられていた。体内での代償機構の存在が示唆された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

鷲沢尚宏・小林一雄・吉雄敏文 他
進行胃癌における術前の栄養状態と宿主非特異的免疫能の関連性について
第53回 日本臨床外科医学会総会 1991、11、14

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究の実施にあたっては,統計的解析法の開発は統計数理研究所の教官が担当し,実証的臨床データの計測・測定などは東邦大学医学部外科学第一講座の教官があたる。(1)坦癌患者の臨床検査データの収集,データベース化を行う。(2)臨床データの多次元解析法および時系列分析などの統計データ解析法による疾病の危険因子の抽出,予後・予測に関する方法論の開発研究を行う。以上実践的な臨床検査の多項目データを統計データ解析により解析し,免疫機能のデータ構造を分析する。併せてガン危険因子の抽出法に最適なデータ解析法の開発研究を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加瀬 肇

東邦大学

小林 一雄

東邦大学

駒澤 勉

統計数理研究所

辻田 和紀

東邦大学

中村 博志

東邦大学

本田 亮一

東邦大学

安士 達夫

東邦大学

渡邊 聖

東邦大学