平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−75

専門分類

7

研究課題名

山梨県日本住血吸虫流行地住民のコホート研究

フリガナ

代表者氏名

イナバ ユタカ

稲葉 裕

ローマ字

所属機関

順天堂大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

山梨県における日本住血吸虫症の慢性影響,特に悪性新生物を含む死因との関連を解明する。


山梨県において,日本住血吸虫症流行地に居住していた住民約2000人を対象にretrospective cohort studyを行なった。1958年から1987年までの30年間の観察の結果,全死因では全国値と比較して,男女とも殆ど同じ死亡率を示した。死因別にみると,肝硬変が男女とも統計学的に有意に高い死亡率を示し(男で約3.5倍,女で約5倍),他に男の悪性新生物(1.2倍),女の結核(約4分の1)が全国値と5%水準で有意の差を認めた。悪性新生物の部位別死亡率でみると,男の肝がん,女の結腸,直腸がんが高い傾向を示した。肝硬変死亡(男女とも)と肝がん死亡(男)に影響を与える要因として,居住開始年齢,居住期間および農業世帯の三つがあげられ,多変量解析の結果では居住開始年齢の影響の大きいことが示唆された。結腸・直腸がん死亡(女)に関してはこのような要因の影響はあまり認められなかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

日本住血吸虫症流行地に居住していた住民約2000人のコホート集団を,1965年から1986年まで観察し,日本の死亡率と比較する。簡単な集計結果はすでに公表されているが,居住開始年齢や居住歴を含めた多変量の生存率解析はまだ実施しておらず,統計数理研究所との共同研究を望んでいる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐藤 俊哉

統計数理研究所

高木 廣文

統計数理研究所