平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−54

専門分類

7

研究課題名

歯周疾患のX線学的研究

フリガナ

代表者氏名

イケシマ アツシ

池島 厚

ローマ字

所属機関

日本大学

所属部局

松戸歯学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

歯周疾患のX線写真所見としては、歯槽骨の吸収の型および程度、また歯周組織である歯根膜腔や歯槽硬線の異常等が論じられている。しかし、それらの関係についてはあまり検討されていない。そのため、これらの関係を調査する目的で、歯周疾患の患者のX線写真からデータを収集し、統計学的検討しようとするものである。


歯周疾患における研究では、咬合外傷による槽間中隔部のX線写真所見として垂直性吸収、歯根膜腔の拡大や歯槽硬線の肥厚等が挙げられている。しかし、それらの所見の間の関係についてはあまり論じられていない。
特に、垂直性吸収では3壁性、2壁性および1壁性の吸収が指摘されており、そのX線診断を難しくしている。
そこで、平成5年に日本大学松戸歯学部付属歯科病院を来院した患者のうち、歯周疾患と考えられる症例(その臨床所見も加味して)で、初診時に撮影されたX線写真(口内法)の所見、すなわち、垂直性吸収のうちの斜状骨欠損における槽間中隔部の傾斜角度、歯根膜腔および歯槽硬線の幅、歯槽骨と歯槽硬線との間のコントラストを測定した。今回このうちの傾斜角度に注目し、その他の所見との相関分析を施行した。
その結果、槽間中隔部の傾斜角度と歯槽硬線の幅との間に相関を認めた。これは槽間中隔部の傾斜角度が急になれば、歯槽硬線の幅も増すことが示されている。歯周疾患の治療面から見れば、治療前に消炎処置の必要性が考察される。この結果を今後の歯周疾患の治療に生かしてゆきたいと考える。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

池島 厚、田村義保,斜状骨欠損および歯周組織のX線学的検討,日本口腔科学,24巻4号,1998年12月1日


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本学付属病院に来院した患者のうち、平成5年における歯周疾患と考えられる症例の初診時に撮影された歯科用X線写真の所見、すなわち、計量データである歯槽骨の吸収の型(水平、垂直等)に基づく吸収過程や垂直吸収においては歯槽頂部の歯軸に対する角度を、また歯根膜腔の幅および歯槽硬線の厚さをそれぞれ抽出し、さらに歯槽硬線と歯槽骨との間のコントラストを算出する。これらのデータは多変量データであり、最初に各データ間の関係を調査した後に解析しなければならない。そのために統計的な一連の処理(処理前の調査も含めた)が必要となり、処理能力の高い中型あるいは大型コンピューターの使用が不可欠となるためである。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

田村 義保

統計数理研究所