平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−59

専門分類

7

研究課題名

集団検診による国民の健康度の予後予測

フリガナ

代表者氏名

コマザワ ツトム

駒澤 勉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

名誉教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

生活環境の変化に伴い,動脈硬化性疾患の脳梗塞および虚血性心疾患の増加傾向が認められる。そこで本研究は約20年前より循環器検診を毎年実施している地域住民を対象として,検診による健康度の把握と予後調査の結果を利用して予後予測分析を行う。また循環器検診の各種所見の定義を再検討し,健康予測と予防に役立てる実践的研究も行う。


ヒトの健康に関する生体情報、生活環境や自然環境をいろいろと観測して定量的に評価することは、健康の深度を予測する重要な研究課題である。
健康を害してからの病院における診断・治療の守備型の個人医学は今後ともに、さらに充実させなければならないが、これからの健康問題を考えるとき、病気にさせない各種集団健康診断(循環器系、消化器系など)を中心にした攻撃型の予防医学を積極的に展開する必要がある。
この予防医学は保健経済面からみても今後重要な健康科学の課題である。そこで、これからのQuality of Life(QOL)のためにも各々の健康に関する情報(食事・運動・生活調査・各種健康検査)を的確に総合的健康指標化して健康の予知・予防の評価が出来るシステム開発を行った。特に、本年度は不定愁訴とストレス・プレッシャーに関する質問項目から生活健康度の指標化をパターン分類の数量化第III類によって試作・実践応用した。
解析に用いた質問項目は自覚症状としての不定愁訴に関して27問、ストレスに関して12問を設定した。各質問項目の回答選択詞は「余りない」、「時々ある」、「よくある」の順序尺度化できるデータ構造で構成した。約7000例の解析対象の回答パターンについて、数量化分析を行った結果、期待通り一次元尺度化が出来た。この結果は実践的に東邦大学医学部大森病院で生活健康度表現に使用し、利用上の問題点を検討中である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

鈴木賢二、駒澤勉他、糖尿病の合併(疫学)−心電図、眼底、血清脂質、血圧、PWV−、日本老年医学会雑誌、Vol.28,No.5, 1991.9
駒澤勉編著、数量化理論、放送大学教材、(財)放送大学教育振興会、1992.3
駒澤勉、数量化III類による順序尺度データ分析と健康診断反応、統数研共同研究(共研3−88)「臨床研究における生物統計手法の開発と応用」、1992.2

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(財)動脈硬化予防研究会では年間約万人に及ぶ循環器検診を実施している。また,1975年(約4万人)と1985年(3万5千人)の被検診者に対して発症追跡調査を実施している。これらの大量データを利用して次の研究を行う。平成3年度は大中小の企業集団を中心に最近10年間の検診受診成績の推移を検討する。また,経年的な検査所見の推移と予後の関連についての分析,検診所見の推移が健康度に及ぼす影響を検討する。これらの計画を実施するに当たっては,医学専門研究機関との共同研究が不可欠であり,多変量解析法,時系列分析法など種々の統計手法を実証的研究に応用し,予測分析法の新しい展開を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

海老根 正枝

(財)動脈硬化予防研究会

白井 厚治

東邦大学

鈴木 賢二

(財)日本労働文化協会

高田 浩江

(財)日本労働文化協会

長谷川 元治

東邦大学

森 誠

(財)日本労働文化協会

山口 百子

国立健康栄養研究所