平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−28

専門分類

3

研究課題名

臨床における経時データの解析

フリガナ

代表者氏名

ヤフネ アキフミ

矢船 明史

ローマ字

所属機関

北里研究所バイオイアトリックセンター

所属部局

臨床薬理部

職  名

医師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

血中薬物動態データなど、臨床から得られるデータの解析には、個体間変動による影響を考慮したアプローチが必要であり、これらの個体間変動をモデルのパラメータの分布として導入し、ベイズ的アプローチを用いることが有効な解析手段となる。本研究では、ベイズ的アプローチを中心とした解析により、臨床から得られる様々な経時的データの解析を研究目的とする。


昨年度までの共同研究結果をもとに、本年度の研究においては、昨年度の研究では具体的な成果を発表するに至らなかった、多次元事前分布を導入したベイズ的アプローチを用いたデータ解析という点に重点をおいて、共同研究を実施した。
実際には、臨床試験から得られた薬物動態のデータに対して、薬物動態学的パラメータ間の相関を考慮した多次元対数正規分布を事前分布としてモデルに導入するアプローチを実施した。現在、ほぼ解析を終了しており、結果については薬物動態に関する国際誌に投稿予定である。
次年度以降では、本年度に実施した解析をさらに継続、発展させるとともに、薬物動態のデータを含めた臨床データではサンプルサイズも限られた場合が多いことを考慮して、従来からの漸近正規性に基づいたパラメータの推定誤差評価だけではなく、Bootstrap法などのresampling法を用いたアプローチによるパラメータの推定誤差評価も試みる予定である。
さらには、薬物動態解析に対するタンクモデルの応用についても、本年度における準備段階を踏まえて、実際のデータに関する解析を実施する予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Yafune, A. and Ishiguro, M., A simple numerical method for extending the measures of mean prediction error and mean squared prediction error to Bayesian pharmacokinetic estimations, Research Memorandum No.631, 1997

矢船明史、武部雅人、一本の曲線に基づく血中薬物動態のベイズ的推定における問題点について、第12回 Population Pharmacokinetics 研究会、平成8年10月5日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1.研究内容:血中薬物動態データなど、臨床から得られる多種多様な経時的データについて、医師の有する様々な事前情報を事前分布としてモデルに導入するベイズ的アプローチを中心とした、解析方法の研究を目的とする。2.共同研究の必要性:本共同研究は昭和63年度より現在に至るまで継続的に実施中であり、今後の共同研究を進める上で、情報量規準をはじめとした統計数理研究所における現在までの研究の蓄積を有効に活用すること、ならびに大型コンピュータを活用することが不可欠である。また、本研究所が中心となり研究が進められている、ブートストラップ法などのリサンプリング法を用いた情報量についても、有効な解析手段として利用できるものと期待される。以上の理由により、統計数理研究所との共同研究が必要と考える。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

松原 敏樹

癌研究会附属病院