平成142002)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

14−共研−2062

専門分類

8

研究課題名

縄文貝塚比較研究−千葉県と宮城県−

フリガナ

代表者氏名

ウエキ タケシ

植木 武

ローマ字

Ueki, Takeshi

所属機関

共立女子短期大学

所属部局

生活科学科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

宮城県の貝塚は、総計325カ所あるが、表面採集や発掘調査で判明した、縄文時代の遺物のみを出土する貝
塚は、234カ所となる。分析の都合上、これらのいわゆる「縄文貝塚」のみが集計対象となる。
 千葉県の貝塚と比較するために、宮城県の貝塚の遺物・遺構等の情報を含むデータベースを作成した。資料
としては、『宮城県の貝塚』(1989年 東北歴史資料館)を利用した。
 集計に利用した項目は、所在地、時期、土器型式、貝、土製品、石製品、骨角器、魚骨、獣骨、遺構等であ
る。そして、頻度の高いもののみを集めて、宮城県の標準モデル、並びに、典型モデルを作成した。また、早
期・前期・中期・後期・晩期に分け、各期のみの遺物しか発見しなかった貝塚のみを検索し、時期別標準モデ
ルも作成した。しかし、この時期別標準モデルは、各期とも例数が少なすぎて、ほとんど信頼性がないことが
判明した。
 貝についてひとつ論じるなら、アサリに続き第2番目に頻度が高く出たマガキは、通常、干潟に群集するも
のだが、内湾泥底や砂底にも群集する。宮城県の場合、貝塚が内湾近くの小高い丘上に立地していることが多
く、この内湾泥底や砂底から採取されたマガキが多いと思われる。
 土器型式を基にする時期について判明したことがある。千葉県の貝塚では、中期と後期に貝塚数がピークを
迎え、晩期には極小となる、これに対して宮城県は、中期と後期に数は多くなるが、晩期は更に、もう少し多
くなるので、この点に関して関東と東北は好対象となる。これは、関東から東北地方への、人々の移動を示唆
するのであろうか、それとも、他に理由があるのだろうか、と考えているところである。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

やっと集計が終わったところで、まだ発表はしていない。しかし、以前に書いた関連論文があるので、列記
する。以下の関連論文がある。
1995 植木 武・村上征勝
千葉県貝塚データベースの計量分析(7)
?千葉県貝塚の計量分析?第8回考古学におけるパーソナルコンピュータ利用の現状
8: 75-86。
1994b 植木 武・村上征勝
千葉県貝塚データベースの計量分析(6)
?東京湾貝塚の繁栄期と衰退期の標準モデル?考古学における計量分析:2
-9。
1994a 植木 武・村上征勝
千葉県貝塚データベースの計量分析(5)
?東京湾貝塚の黎明期の標準モデル?第7回考古学におけるパーソナルコンピュータ利用の
現状
1993b 植木 武・村上征勝
千葉県貝塚データベースの計量分析(4)
?東京湾貝塚標準モデル作成?考古学における計量分析。計量考古学への道
?: 1-13。
1993a 植木 武・村上征勝
千葉県貝塚データベースの計量分析(3)
?基礎集計のまとめ?第6回考古学におるパーソナルコンピュータ利用の現状6: 53-60。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

村上 征勝

統計数理研究所