平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−61

専門分類

7

研究課題名

地域検診結果判定のための新しい方法論の研究

フリガナ

代表者氏名

イナバ ユタカ

稲葉 裕

ローマ字

所属機関

順天堂大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地域健診の検査結果と成人病(肝硬変、肝癌、脳血管疾患、虚血性心疾患)発生のデータを用いて、要指導・要治療群判定のための個人データの変動を指標とした新しい方法論を開発するとともに、従来の絶対値を基準とした方法との効率の比較検討を行なう。複数の検査法を組み合わせた基準の開発も行う。


山梨県の2町村の平成4年までの健診データを入手するとともに、山梨県厚生連の昭和60年以後平成4年までの検診データを入手し、分析可能な形に変換した。平成3年の死亡データを入手して磁気入力するとともに、昭和57年から平成3年までの国民健康保険加入者の罹患をレセプトを調査することによって入手し、現在整理中である。平成4年1月に実施された成人病罹患調査については、磁気入力が終了し、単純集計が終了した。
現在、罹患データとして用いるための整理・変換を行っている。これらのデータについては、予想以上にレコード・リンケージに手間取り、現在マスターの名簿を作成するとともにリンケージ作業を行っている。
データの分析方法については、本年度はコホート内症例対照研究のひとつであるnested case-controlの手法を用いて、血圧値および、コレステロール値と循環器疾患死亡について分析を行ったが、欠測値が多く、満足できる結果が得られなかった(第51回日本公衆衛生学会で発表)。対照例を選択する場合に、欠測のある例をどのように扱うかが問題となった。
特に値の変動を検討する場合は欠測値の存在が大きな障害となること、この地域の健診においては、逐年受診者の割合が小さく、多くの欠測値を持つ例が大部分であることから、欠測値の問題が現在検討中のnested case-controlを基本とした分析方法の問題点としてクローズ・アップされた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

菊地正悟,稲葉裕,白石安男,佐藤俊哉,高木廣文:循環器疾患と地域健診結果に対するコホート内患者対照研究
第51回日本公衆衛生学会総会,1992.10.23

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

山梨県の2町村の昭和48年から平成2年までの健診データ、昭和57年から平成2年までの死亡データがすでに磁気入力されている。平成4年1月には、同地域の30歳以上の全住民を対象とした成人病罹患調査が実施される。これらのデータを用いて、成人病の予防という面から、どのような判定基準が地域健診に最も適しているかの分析を行なう。従来の検査の絶対値を基準とするだけでなく、個人のデータの変動を指標化して基準とすることを検討する。
将来的には、複数の指標を組み合わせて基準とすることを目標とするが本年度は特に個人の検査値の変動の指標化に重点を置いて、一般化可能な方法論の開発を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

菊地 正悟

順天堂大学

佐藤 俊哉

統計数理研究所

高木 廣文

統計数理研究所