昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−93

専門分類

9

研究課題名

安全性評価における統計解析−混合モデルでの推測−

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

催奇型試験における回腹効果あるいは変異原性試験における実験繰り返し誤差を記述するために混合モデルが用いられる。混合モデルの推定は近年研究が著しく進んでいる経験ベイズ手法,変動効果モデルを用いることができる。そこで実際の要求に則した混合モデルの統計的推測の研究を行う。特に混合モデルの適用による推定量の非一致性,偏よりの補正に主眼を置く。


本研究では
1.催奇型性テスト及び変異原性テストでの超過変動のデータ処理に寄与すること
2.これをデータ2項分布を含む混合モデルの利用の観点から調べる
ことを中心に共同研究を行うことが目的である。研究の遂行にあたっては客員研究員の〓村氏の参加を得た。また本年度はISIの大会が行われたので来日外国人研究者からも刺激を得ることができた。
研究参加者は1)条件は尤度の利用及び分布の正の相関との関連(柳本)2)負の2項分布における推測3)放影研における超過変動データ(藤田)4)2項分布の拡張としての超過変動モデル(山本,越智)を各個人の関心として相互の討論の場とした。
研究成果は別記の通りであるが,成案1及び1′は現実には61年度になされたものである。一方本年度の実質的な成果あるいは成果の芽として
1.負の2項分布の推測
2.ベータ2項分布におけるモーメント法の利用
がある。研究1はほぼ見込みがたっている。研究2はquasi−likelihoodとの関連を含めてモーメントの法の有効性へと広く解釈することもできる。
具体的な成果はともすれば理論面に傾むき勝ちであるが,参加者は実際のデータへの適用への希望が強く,その面からの努力に多くのエネルギーを費やしているが,今のところ見るべき成果を得ていない。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1)Yamamoto,E.and Yanagimoto,T.Litter Effect to Dose−Response Curve Estimation.日本統計学会誌(印刷中)
1′)同 ISI 46th Sessionにて口演
2)Yanagimoto,T.Dependence Ordering in Statistical Models and Other Notions.統数研リサーチメモ334


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

近年GLP(動物実験の実施指針)の影響もあってデータの蓄積が急速に進んでいる。これらの利用によってデータを試験的に解析することは,手間を除けば容易である。そこで実際のデータに則した形で従来提案されている混合モデルを研究し,その修正を考案する。そして混合モデルについての推測について解析的あるいは数値的に研究を行う。数値的な研究の相当部分は当研究所で行う。共同研究者は主としてプログラムの開発で協力し,一部実務を担当する。こうした研究では共同研究参加者による直接的な研究討論が有益なのでその機会を設ける。この研究は実際に則しており,統計的推測において問題を共有していることから,当研究所の共同研究として実施することが望まれる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

安楽 和夫

西南学院大学

越智 義道

大分大学

林 眞

衛生試験所

藤田 正一郎

放射線影響研究所

藤野 和建

長岡技術科学大学

山本 英二

岡山理科大学