平成282016)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

28−共研−2061

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

2

研究課題名

混合整数計画問題に対する高精度解の探求とアプリケーション駆動最適化研究基盤の構築

フリガナ

代表者氏名

イトウ サトシ

伊藤 聡

ローマ字

Ito Satoshi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

204千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

合理的なエネルギーミックスの検討などには、大規模な混合整数計画問題(MIP)に対する高精度解を求める必要がある。本研究課題では、混合整数計画問題に対する高精度解(基本的には厳密解)を求める世界最高水準の計算技術を探求する。ここでの計算技術は、実際のデータを利用した最適化計算であり、必要なデータの精度向上技術、モデリング、アルゴリズム開発、プログラム開発、スーパーコンピュータ上での大規模並列処理計算を含み、現実問題を実際に解くことを目的とする。また、大学共同利用機関による日本型のアプリケーション駆動研究基盤構築の可能性を検証するため、大型競争的研究資金獲得を視野に入れた予備的研究と位置づけている。

本研究課題では、先行しているドイツの Zuse Institute Berlin (ZIB) など商用ソルバー開発者たちとの連携を取り、世界最高性能ソルバーによる世界最高精度の解をアカデミック研究者に提供することを目指す。これまでに現実問題にチャレンジしてきた日本の研究者との連携により、真に大規模な MIP が高精度に(厳密に)解けるなら、何がどこまで明らかにできるか、また、どのようなアプローチにおけるモデルがどの程度の規模までなら解けるかを検証する。以上の連携研究環境の実現により、ソルバー開発者とアプリケーション研究者の協調による、大学共同利用機関による日本型のアプリケーション駆動研究基盤構築の可能性を検証することを最終目標としている。研究組織は、ソルバー開発グループとアプリケーショングループで構成する。ソルバー開発グループ(品野、Koch)は ZIB を中心とした海外の開発者グループに加え、カスタマイズしたソルバーの開発に関心のある日本国内の研究者とも連携し、世界最高精度の解を提供できる汎用ソルバーの開発を継続的に続ける。アプリケーショングループ(伊藤、土谷)は、特定のアプリケーションに対するモデル化と解法(高性能ソルバーを利用した解法)の構築を目指すこととしている。

平成28年4月よりZIB の研究グループとの打合せを始め、ISM-ZIB間で応用/統計数理およびデータ中心高性能計算の分野における相互に有益かつ創造的・生産的な学術活動を発展させるため、共同研究プロジェクトの推進、共同研究・教育その他の活動を目的とした研究員の相互受入、継続的かつ協力的な情報交換を主たる対象とする包括的学術協定(MOA)を6月20日に締結した。また、この学術協定に基づき、最適化およびデータ中心高性能計算に関する第1回ワークショップ(ISM-ZIB-IMI Joint Workshop on Optimization and Data-intensive High Performance Computing)を、平成29年1月19日から22日にかけて統計数理研究所で開催した。第2回ワークショップは平成29年9月下旬にベルリンで開催する予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

共催ワークショップのウェブサイト
https://ura3.c.ism.ac.jp/opt-dhpc/

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ISM-ZIB-IMI Joint Workshop on Optimization and Data-intensive High Performance Computing
平成29年1月19日〜22日
統計数理研究所
参加者51名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Koch Thorsten

Konrad-Zuse-Zentrum fur Informationstechnik Berlin (ZIB)

品野 勇治

Konrad-Zuse-Zentrum fur Informationstechnik Berlin (ZIB)

土谷 隆

政策研究大学院大学