昭和62（1987）年度　共同研究実施報告書

課題番号	62−共研−2			専門分類		1
研究課題名	統計教育の為の補助教材の開発
フリガナ 代表者氏名	スズキ　ギイチロウ 鈴木　義一郎			ローマ字
所属機関	統計数理研究所
所属部局	予測制御研究系
職　　名	教授
所在地
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配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	18　人

研究目的と成果（経過）の概要

学校教育の現場で効果的に利用できるような“補助教材”を開発し，正しい統計学の知識の普及に寄与することを目的とする。特に現場の教師が，積極的に使いたくなるようなものに仕上げること，さらにランダムな機構を組み入れる場合に，教育上不都合な結果が現れて教師が説明に窮することがないよう配慮するが肝心である。また統計の基本的な概念が，とかく数理的な側面に重点を置いて教育される傾向があるので，統計本来のセンスを身につけることが出来るよう配慮する必要がある。


正しい統計学の知識の普及に寄与することを目的として，特に学校教育の現場で効果的に利用できる，また現場の教師が積極的に使いたくなるような“補助教材”の開発を行った。
当面「ＡＰＬ」という言語を用いて，試みの教材を作成した。この言語で作ったのは，実際に教育を担当している教師が必要に応じて修正を加えるのに，素早く処理できるためである。他の言語よりステップ数を大幅に節約でき，またこの言語は数学が強いタイプに向いていること，またコンピュータに不慣れなタイプでも‘電卓感覚’で使うことができる。
本年度の検討事項や開発の状況を列挙すると，以下のようになる。
１．統計教育を担当している現場教師との懇談を通じて，教折の統計に関する興味を喚起する方策について検討を行った。
２．数学教育，統計教育等に関連して開発されている既成教材の問題点を検討するとともに，コンピュータ利用の功罪に関する問題点を議論した。
３．統計教育用に開発されている既成の補助教材との併用も考慮して，コンピュータ導入の範囲やタイミングなどを検討した。
４．コンピュータの扱いに不馴れなタイプの教師でも気軽に利用できるよう，できるだけ単純化した。また，場所の移動が容易なように，ハンディタイプのコンピュータを利用した。さらに小出しに使えるよう，主として“ワンポイント”形式のものを作成した。
５．コンピュータの利用が直接目的ではないから，コンピュータを介在させる時間を長くとらずに済まされるよう配慮した。
６．コンピュータの特性を活かして，グラフ化の手法を多用し，しかもカラフルで動きのある画面を提示するよう努めた。
７．生徒が興味を抱き，しかも教育用に適した「データ」類を収集した。
８．新規に開発した統計教育用教材の一部について，これを利用する教師の為の「マニュアル」の作り方の検討を行った。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

鈴木義一郎・北野利雄：統計教育のためのワンポイントＣＡＩ
鈴木義一郎：ＯＮＥ−ＰＯＩＮＴ ＣＡＩ ＦＯＲ ＴＥＡＣＨＩＮＧ ＳＴＡＴＩＳＴＩＣＳ
第５回日韓統計セミナー
応用統計学会１９８７年度年会
鈴木義一郎：「情報量」について 他
実教「数学資料」ＮＯ．１３〜１５
鈴木義一郎：コンピュータ時代の統計教育（１），（２），（３）
東京書籍「高校通信」２８５〜７
鈴木義一郎：「ＢＩＴ」１９８８年３月号 巻頭言
鈴木義一郎：統計データ分析（１）〜（５）
ＩＮＦＯＲＭＡＴＩＯＮ １９８８年５〜９月号

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

パーソナルコンピュータを利用してグラフの手法を多用した教材の開発に重点を置く。また統計教育を担当している現場教師の統計的センスを補強する方策についても検討を行う。
１．数学教育，統計教育等に関連して開発されている既成教材，特にパソコン用のパッケージについての問題点を検討する。
２．統計教育の為に適した「データ」類の収集を行う。
３．新規の統計教育用教材の開発を行い，その教材を利用する際のポイントを指示したマニュアルを作成する。
４．開発された方法の効果に関して，いろいろな観点からの評価を行う。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
青柳 雅計	千葉大学
石黒　真木夫	統計数理研究所
岡崎　卓	統計数理研究所
鎌倉　稔成	中央大学
北野　利雄	仙台工業高等学校
小西　貞則	九州大学
島田　茂	東京理科大学
千野　貞子	いわき明星大学
竹内　寿一郎	慶應義塾大学
田中　潔	岡山商科大学
垂水　共之	岡山大学
二藤部　邦幸	山形県立南高校
馬場　康維	統計数理研究所
三浦　良造	一橋大学
村上　征勝	統計数理研究所
山本　正明	山形大学
吉村　啓	慶應義塾