平成262014)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

26−共研−2021

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

3

研究課題名

疾患のCT値を利用した鑑別診断についての研究

フリガナ

代表者氏名

イケシマ アツシ

池島 厚

ローマ字

Ikeshima Atsushi

所属機関

日本大学松戸歯学部

所属部局

放射線学講座

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

2千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 疾患を歯の根尖に発生するもの、埋伏歯の歯冠に発生するもの、上下顎骨体部に発生するもの、および高CT値を示すものに分類し、それぞれ判別分析を実施した。
 その結果、歯の根尖に発生するものには、歯根嚢胞と歯根肉芽腫があり、その正判別率は歯根嚢胞が64.7%、歯根肉芽腫が75%であった。
 埋伏歯の歯冠に発生するものには、含歯性嚢胞と含歯性のエナメル上皮腫および角化嚢胞性歯原性腫瘍があり、それぞれの正判別率は、含歯性嚢胞が80.8%、含歯性のエナメル上皮腫が42.9%、含歯性の角化嚢胞性歯原性腫瘍が30%であった。
 また、上顎の骨体部に発生するものには、角化嚢胞性歯原性腫瘍、原始性嚢胞、鼻口蓋管嚢胞および術後性上顎嚢胞があり、それぞれの正判別率は、角化嚢胞性歯原性腫瘍が28.6%、原始性嚢胞が6.7%、鼻口蓋管嚢胞が100%、術後性上顎嚢胞が72.2%であった。
 下顎の骨体部に発生するものには、エナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍および原始性嚢胞があり、それぞれの正判別率は、エナメル上皮腫が52.9%、角化嚢胞性歯原性腫瘍が29.4%、原始性嚢胞が66.7%であった。
 さらに、高CT値を示す疾患で、埋伏歯の歯冠に発生するものには、複雑型と集合型の歯牙腫があり、その正判別率は、複雑型および集合型ともに100%であった。
 高CT値を示す疾患で、上下顎の骨体部に発生するものには、骨形成線維腫、骨性異形成症および腐骨があり、それぞれの正判別率は、骨形成線維腫が83.3%、骨性異形成症が71.4%、腐骨が29.4%であった。
 今回の分析における疾患の症例数にはばらつきがあり、症例数の少ない疾患には症例数を増やして検討して行く必要がある。その結果、正判別率の向上がみられると考えている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1. 池島 厚:歯根嚢胞と歯根肉芽腫との鑑別点(第4報),第15回臨床画像大会,鹿児島,2010年 9月
2. 池島 厚:下顎骨に発生したエナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍、原始性嚢胞間の鑑別について,第213回関東地方会・第31回北日本地方会・第19回合同地方会,新潟,2011年 7月
3. 池島 厚:上顎における角化嚢胞性歯原性腫瘍、原始性嚢胞、鼻口蓋管嚢胞および術後性上顎嚢胞間の鑑別について,第214回関東地方会,東京,2012年 1月
4. 池島 厚:含歯性のエナメル上皮腫および角化嚢胞性歯原性腫瘍と含歯性嚢胞の鑑別点について,第17回臨床画像大会,大阪,2012年10月
5. 池島 厚:骨形成線維腫、骨性異形成症および腐骨間の鑑別について,第216回関東地方会,大宮,2013年 1月
6. 池島 厚:歯牙腫(複雑型と集合型)の鑑別について,第217回関東地方会・第33回北日本地方会・第21回合同地方会,新潟,2013年 7月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

田村 義保

統計数理研究所