平成262014)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

26−共研−5004

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

電離圏・磁気圏モデリングとデータ同化

フリガナ

代表者氏名

ナカノ シンヤ

中野 慎也

ローマ字

Nakano Shin'ya

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

81千円

研究参加者数

9 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

電離圏・磁気圏は,宇宙空間の中でも最も地球に近い領域であり,測位衛星,気象衛星,通信衛星などの重要な宇宙インフラが設置されている.宇宙インフラが社会生活に浸透した現代において,電離圏・磁気圏環境の研究の重要性はますます高まっている.一方で,衛星撮像データや衛星・地上の多点観測データなど,電離圏・磁気圏の広い空間領域にわたるデータが高い時間分解能で取得されるようになり,そうしたデータを活用した電離圏・磁気圏現象の包括的な解析,モデリング研究への気運が高まりつつある.特に,大量の観測データと物理法則を記述する数値シミュレーションなどの動的モデルとを統合し,システムのダイナミックな描像を提示するデータ同化は,今後ますます重要性を増していくものと考えられる.

本研究集会は,データ同化手法や逆問題解析手法の電離圏・磁気圏環境の応用事例について議論することを目的とし,名古屋大学太陽地球環境研究所と協力して,2011年より毎年開催している.名古屋大学,統計数理研究所で交互に開催しており,今年度は1月9日に,統計数理研究所にて開催した.今回は,講演者10名を含め,全体で20名近くの参加者が集まり,以下のような内容で行った.

日時: 2015年1月9日(金)
場所: 統計数理研究所 3F セミナー室5 (D313,D314)

[プログラム]
10:30-10:35
趣旨説明
10:35-11:05
三好由純(名大STE研),上野玄太
「データ同化を用いたリングカレントのエネルギー変化の動的推定」
11:05-11:35
坂口歌織(NICT),長妻努
「多変量自己回帰モデルによるL値毎の放射線帯電子フラックス予測モデルの開発」
11:35-12:05
太田 守(金沢大), 笠原 禎也, 後藤 由貴
「圧縮センシングに基づくスペクトル推定手法の提案」

12:05-13:30
(昼休み)

13:30-14:00
陣英克(NICT),三好勉信,藤原均,品川裕之,松尾朋子
「大気圏電離圏結合モデル(GAIA)へのNCAR-DARTの導入について」
14:00-14:30
齊藤昭則(京都大理)
「GPSと光学観測による電離圏内の積分量データの利用」
14:30-15:00
上津原正彦(統数研),中野慎也,樋口知之
「低軌道デブリの突発的軌道減衰現象の全球構造を推定するための状態空間モデルの検討」
15:00-15:20
(休憩)
15:20-15:50
河野英昭(九州大),上野玄太,才田聡子,中野慎也,樋口知之
「磁力線固有振動数とTECの統合インバージョンによる磁気圏密度分布推定-経過報告-」
15:50-16:20
渡邉 涼太(金沢大),後藤 由貴,笠原 禎也
「GPSとQZSのTEC差によるプラズマ圏境界の推定法」
16:20-16:50
尾花由紀(大阪電通大),能勢正仁
「ULF波動を用いたプラズマ圏密度診断:自動化プログラムによる初期解析結果」
16:50-17:20
中野慎也(統数研),Mei-Ching Fok, Pontus C. Brandt, 樋口知之
「プラズマ圏の密度緯度分布パラメータの最尤法による推定」
17:20-17:40
まとめ,討論


以上のように,様々な具体的テーマについて有意義な議論を行うことができ,非常に実りの多い研究集会であった.来年度以降も名古屋大学と交代で継続して開催して行きたいと考えている.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

http://daweb.ism.ac.jp/contents/information/workshop/140-midaws-jan2015.html

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

太田 守

金沢大学

河野 英昭

九州大学大学院

後藤 由貴

金沢大学

才田 聡子

北九州工業高等専門学校

齊藤 昭則

京都大学

陣 英克

独立行政法人 情報通信研究機構

三好 由純

名古屋大学

渡邉 涼太

金沢大学