平成クオ1989)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−50

専門分類

5

研究課題名

工学・生物学における不規則現象解析の諸問題

フリガナ

代表者氏名

キッカワ ショウ

吉川 昭

ローマ字

所属機関

近畿大学

所属部局

生物理工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

33 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

いわゆる不規則変動現象は,騒音,気象,川の流れ,音声など,身近なものの中に多くある。又,通信工学,制御工学,など工学の分野,さらに生体信号,集団遺伝学,生態学など生物学の分野において不規則現象の持つ意味は大きい。これらの分野で観測される不規則現象は,各々特殊制を持つ問題として存在する一方,それを確率過程として数学的にモデル化してみるとき,意外に一般的な問題として定式化できる部分が多い。従って,各分野の研究者が互いに解決すべき問題をもちより討論することは,一見無関係な分野の研究者にとっても有意義であり,かつ,個々の問題を確率過程の問題として定式化しなおすことによって,さらに深い物理的解釈の展開が可能となる。本研究会は,各分野で不規則現象を研究する研究者の具体的問題提起を議論の発端とし,それを確率過程の問題として般化し,その成果を再び具体的問題へ還元して行くための場として提案される.


不規則変動を伴う現象は種々の分野にわたって種々存在するが,不規則現象は数学的には確率過程としてモデル化され,一般的問題として取り扱われる部分も多い。従って各分野の多くの研究者が互いの問題を持ち寄って討論することにより,基礎的問題としても応用の面でも新しい展開への契機となることが期待される。
本研究会はこのような考えに基づき,各分野の研究者が一堂に会し行われた。研究会は,1989年11月29,30日の2日間にわたって行われ,16件の研究報告と1件の教育講演が行われた。その内容は,乱数,カオス,フラクタル等の基礎的検討,パルス列のスペクトル表現,確率波動場,信号の時間周波数表現,BIC型調和解析,等の基礎的問題から,DNA配列,神経細胞終板電位,大脳活動の揺らぎ,筋活動電位,等の生物生体分野への応用,さらには広義ディジタルフィルタ設計,X線画像におけるボケ・雑音処理,ウィナー非線形解析法の画像伝送への応用,非線形システムのモデリングなど工学分野への応用など,広い分野にわたった。また,共同研究者の渡辺壽夫教授の「確率微分方程式の差分近似」に関する教育講演も行われた。
各講演では互いに不案内な点を理解しあえるような工夫がみられ,他・多分野の研究から多くのことを学びえた点はまことに有益であった。どちらかといえば諸外国に比べこの分野の研究者の少ないわが国で,この種の研究が盛んになりつつあることは喜ばしい。今後一層の発展を期待したい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

稲垣 宣生

大阪大学

井原 俊輔

名古屋大学

臼井 支朗

豊橋技術科学大学

太田 光雄

近畿大学

大松 繁

大阪府立大学

小倉 久直

近畿大学

尾崎 統

統計数理研究所

加納 悟

横浜国立大学

北川 源四郎

統計数理研究所

木竜 徹

新潟大学

香田 徹

九州大学

酒井 英昭

京都大学

佐藤 俊輔

大阪大学

杉山 宏

湘南工科大学

舘田 英典

国立遺伝学研究所

中溝 高好

防衛大学校

中村 正彦

東海大学

林 利治

大阪府立大学

日野 幹雄

東京工業大学

藤井 光昭

大学入試センター

船田 哲男

金沢大学

本田 郁二

慶應義塾大学

簑 弘幸

東邦大学

武者 利光

脳機能研究所

宗像 勉

玉川大学

八木 寛

富山大学

安井 湘三

九州工業大学

山口 隆美

国立循環器病センター

山本 光璋

東北大学

吉沢 修治

東京工業大学

渡辺 寿夫

岡山理科大学