平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−34

専門分類

3

研究課題名

視覚的操作時系列解析支援システムの改良

フリガナ

代表者氏名

ヤマモト ヨシカズ

山本 由和

ローマ字

所属機関

徳島文理大学

所属部局

工学部

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

最近のほとんどの統計パッケージにはGUI(グラフィカルユーザインタフェース)がそなわっているが,それらは旧来のコマンド言語の影響が強いため,それほど使いやすいとはいえないものが多い.そこで,われわれは設計段階からGUIの利点を生かすことを考え,統計解析を支援できるようなGUIをもったシステムを作成したい.


われわれはGUIの操作性の良さを解析過程の履歴に直接結びつけることを目標として,時系列解析支援システムTISASを開発している.このシステムでは,解析の履歴をシステムが管理し,分かりやすく表示したり,統計的な誤用を防ぐことを考慮したプルダウンメニューを持っているなどの特徴がある.昨年度までにUNIX系のOSとMS-Windows上である程度の解析を行えるようになっていた.今年度は分散処理機能を実現した.
GUIによる操作するでは,データ数が多くなると処理速度が遅くなり,解析が長くなるとシステムが必要とするメモリサイズが増大する.この問題を解決するためにTISASを計算を行いそのデータを保持するサーバとGUIとに分離し,分散処理を実現した.これによって複数の計算機で計算を行わせることができる.
分離した部分の通信にはPVM(Parallel Virtual Machine)の機能をTcl/Tkから利用できるようにしたTkpvmによって実装した.基本的な考え方としては,GUIとサーバとの通信量はできるだけ少なくする.GUIではデータや計算結果を保持せず,必要があればサーバから転送する.しかし,すべてのデータを転送するのではなく少しずつ転送する.
また,一度転送したものはGUI側でキャッシュとして保持しておき次回から同じ通信を行わない.Tkpvmを利用したことにより,計算機の名前を指定するだけでサーバを起動し,通信を開始できるようになった.このため,あらかじめサーバを起動しておく必要はない.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

山本由和・中野純司,時系列解析システムTISASにおける分散処理機能の実現,日本統計学
会,1999年7月予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまでの研究によりGUIのプロトタイプが完成している.このシステムは統計数理研究所で開発されたMS Windows版TIMSACのプログラムを利用し,データのオブジェクト化と解析の履歴を中心としたGUIを持っている.本年は解析の支援を行うことを実現したい.例えば,望ましい順番でプルダウンメニューに表示できたり,明らかな誤用を行えないようにすることである.また,既存の計算プログラムを簡単に利用できるような枠組みも作成したい.現在ではTIMSACのようなFortran言語やC言語で書かれた信頼性の高いプログラムがいくつかある.これらを簡単にシステムと結び付けて利用できるようにしたい.


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小林 郁典

徳島文理大学

田村 義保

統計数理研究所

中野 純司

統計数理研究所