平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−21

専門分類

2

研究課題名

統計データ解析エキスパートシステムの構成法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ウチナミ セイイチ

打浪 清一

ローマ字

所属機関

九州工業大学

所属部局

情報工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

12 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計DBシステムにエキスパートシステムを導入すると使い易いシステムの構成が期待される。数年前からトップダウン的に要求分析、システム分析・設計を行ってきた。昨年はシステムの詳細設計や、試作、各種システムの紹介、討論を行った。本年度は、システムの詳細設計・基礎実験と検討を行い、構成法の解明を目的とする。


現在、オブジェクト指向プログラミングの手法が脚光を浴びているが、統計解析をオブジェクト指向風に再評価する討論を行った。統計解析すべきデータの集まりをオブジェクトと捉えるか、解析手法をオブジェクトと捉えるかでモデル化が異なってくる。両者が統合された形でモデル化が出来れば望ましい。その可能性について討論した。
基本データ構造をオブジェクトと捉えることにより、各種データの集まりがオブジェクトとなり、それぞれのオブジェクトクラスに対して適用出来る統計解析手法が決まる。このような形でのきれいな定式化の発表があった。(垂水他)
統計解析支援の立場としては収集したデータの概説と欲しい因果関係を指示するだけで、自動的にふさわしい統計解析手法が選択されて、逐次処理されて行き、解析結果の評価が行われて、求めるものが提示されるのが望ましい。ここの支援について議論したが、かなり難しそうで、今後の課題となった。
統計解析支援を行うのに、統計解析の手法や各手法の適用出来るケース等を勉強できるシステムを提供し、それを用いて統計解析手法を選び、使い方を知って利用すべきだとの意見が、統計学を専門とする研究者の間に強くある。そのような観点からの、ハイパーカードによる統計解析手法教育システム(宇田川)と、ハイパーカードを用いた統計解析支援システム(林)の2システムと、オブジェクト指向かつ黒板型モデルを用いた統計解析支援システムの移植・改良(中野,小林,山本)について発表があった。
前者の宇田川氏のシステムは、それを商用版に作り直したものを生協を介して販売したい(石橋)とのことであった。後者は、PCの上のUNIXで動くように移植がほぼ完了したそうで、その内に、利用希望者に使って貰って更に修正を試みたいとのことであった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Hayashi,Tarumi:A Consultation System for Statistical Analysis on Hypertool, Computational Statistics,Vo1.2. Physica-Verlag.

柳貴久男、垂水共之、林篤裕:統計データのクラス階層、第6回計算機統計学会シンポジウム予行集、1992.
柳貴久男、垂水共之:統計データのクラス階層とその応用、第6回計算機統計学会シンポジウム予行集、1992.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度迄、統計エキスパートシステム作成の為に、統計に関する知識・機能等についてシステム分析・設計を行ってきた。必要知識としては、手法毎の目的、用途、適用例、異常値の検出・処理法、手法適用前提条件、結果統計量と検定結果等があり、エキスパートシステムは黒板型が適すことが分かった。本年は更に対象を深め、試験システムの詳細設計・試作改善を図り、構成法を検討する。
会合してシステム設計を行うと共に、各自で得意な分野の研究を分担する。統計データは種々の分野で利用され、ある意味では境界領域の研究であり、単一機関での研究よりは、異分野の研究者が集まり、統計の専門家が沢山いる統数研で行うのが適している。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

宇田川 拓雄

北海道教育大学

硴崎 賢一

九州工業大学

刈谷 丈治

山口大学

小林 康幸

島根大学

佐藤 英人

東京国際大学

田村 義保

統計数理研究所

中野 純司

統計数理研究所

林 篤裕

大学入試センター

松田 孝子

石巻専修大学

柳 貴久男

岡山理科大学

力宗 幸男

神戸商科大学