平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−77

専門分類

7

研究課題名

画像処理法によるカイコの形態計測とそのデータ解析

フリガナ

代表者氏名

ナカダ トオル

中田 徹

ローマ字

所属機関

 

所属部局

職  名

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

各種の測定機器とパソコンを連結して,測定データを直ちに統計処理するシステムが各方面で行われるようになった。
著者は既に秤量機器とパソコンを組み合わせた自動秤量計算システムを開発しているが,重量の場合より,形の計測の方が複雑であり,画像処理によってこれを単純化することが可能なので,形の安定したカイコの繭について形態計測システムを開発中である。


現在カイコの繭の形態計測を中心として共同研究を行っているが,本年度は測定システムのバージョンアップを試みた。著者は既に秤量機器とパソコンを連結した自動秤量・データ処理システムを完成し,稼動中であるが,形態計測の場合は技術的にかなり困難な部分があり,画像処理システムをより効果的に運用する努力をつづけている。システムとしてマクロレンズを備えたCCDカメラで映像を取りこみ,パソコンで処理する方法を採用して,相当の効果を収めることができた。
このようにして得た形態分析データを用いて,種々の統計的解析を行っている。まず多くのカイコの保存品種の繭型を行い,遺伝学的な見地から,各品種間の繭型の類似の程度を数値化して,相互の類縁関係を推定した。この問題は現在数百種に及ぶカイコの保存品種の一部について着手したところであり,なお多くのデータの蓄積を行い,総合的な解析を試みる予定である。
次に品種内における繭型の雌雄差に関する分析を行っている。その一つとして伴性遺伝系統のEq品種を用いて,繭の重量発現の伴性遺伝の分析の過程で,交雑後代における雌雄繭重の逆転現象を観察し,また同時にこれは繭型発現にも関係することが分った。これは繭型発現に関係する主遺伝子作用をはじめて確認したものであり,カイコの営繭行動に関係する神経生理的解析の上からも注目される成果である。
今後さらに品種特性のデータを蓄積するとともに,交雑実験後代の観察によるマーカー遺伝子と繭型との関係を多変量解析など統計学的分析法を用いて精査したい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

現在カイコの繭の形態計測を行う目的で,カメラとパソコンを連結したシステムをいくつか試作し,そのソフトを開発している。そこでカイコの多くの保存品種の繭の形態を調査して,遺伝学的な立場から品種間の類縁関係の検討をすすめている。
そこでデータ解析に有効な統計分析法について専門研究者との共同研究を行ない,カイコの品種分化過程を探索し,また形態に関係する有効な変数を見出すための検討を行なう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

村上 征勝

統計数理研究所