平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2008

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

データ同化にもとづく放射線帯の物理過程の究明

フリガナ

代表者氏名

ミヨシ ヨシズミ

三好 由純

ローマ字

Miyoshi Yoshizumi

所属機関

名古屋大学

所属部局

太陽地球環境研究所

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

41千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地球周辺の宇宙空間には、放射線帯とよばれる高エネルギーの粒子捕捉帯が存在する。高エネルギー粒子の時間変動を記述するために、従来、輸送拡散と消失からなるFokker-Planck方程式を用いたシミュレーションが行われてきた。一方、近年の放射線帯の研究からは、粒子拡散以外の物理過程が放射線帯の加速に影響を及ぼしている可能性が指摘されるとともに、粒子のエネルギーに応じて異なったふるまいをしている可能性も指摘されている。
本研究では、1) 観測ベクトルに組み込む電子のエネルギーを従来の単一のものから複数エネルギーへと拡張した。また、粒子拡散以外の加速過程を表現するために、2)新たな項Sの関数形の検討を行った
1)の観測ベクトルの拡張においては、1エネルギーのデータを使うのに比べて、2エネルギーに拡張することで、両方のエネルギーについて同化計算の改善が見られた。一方で、アンサンブルメンバーの退化の問題が顕在化しており、粒子数を増やす必要があることが指摘された。2)については、関数形を構築し、データ同化計算に組み込んだ初期的な計算を開始した。これらの結果については、地球電磁気・地球惑星圏学会(2012年10月)、宇宙環境シンポジウム(2012年11月)、研究集会「電離圏・磁気圏モデリングとデータ同化」(2013年2月)で発表されるとともに、国際学会 International Symposium on Space Technology and Science(2013夏)でも発表予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本研究課題について、以下の発表を行った。

外山 晴途、三好 由純、上野 玄太、越石 英樹、松本 晴久、塩川 和夫
2チャンネル電子データを用いた放射線帯モデルパラメータ推定に関するデータ同化研究
地球電磁気・地球惑星圏学会 第132回総会及び講演会
2012年10月20日-2012年10月23日 

外山 晴途、三好 由純、上野 玄太、越石 英樹、松本 晴久、塩川 和夫
データ同化に基づく放射線帯モデルパラメータの推定
第9回宇宙環境シンポジウム
2012年11月5日-11月6日

外山 晴途, 三好 由純, 塩川 和夫,上野 玄太, 越石 英樹, 松本 晴久
粒子フィルタを用いた放射線帯モデルのパラメータ推定
電離圏・磁気圏モデリングとデータ同化
2013年2月4日-5日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

外山 晴途

名古屋大学