平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−19

専門分類

3

研究課題名

非定常又は非線形な時系列の推測に関する研究

フリガナ

代表者氏名

フジイ ミツアキ

藤井 光昭

ローマ字

所属機関

大学入試センター

所属部局

職  名

副所長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

24 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

時系列解析において,最近活発に研究されるようになった非定常な時系列や非線形な時系列の統計的な解析について,主として理論面を中心に研究をしている研究者と,工学,経済学,自然科学等種々の応用の分野において研究している研究者とが集って広い角度から互に情報やアイディアの交換を行い,理論や応用の研究を推進しようとするものである。


表記の研究課題に関し,共同研究者がそれぞれの立場から研究にとりくみ,その成果を持ち寄る形で,平成元年12月21日(木)と22日(金)の2日間に統計数理研究所セミナー室において研究会を開催した。この研究会を3つの大きな柱で運営した。第一の柱は当研究課題に関し,研究の動向を学習しようとするもので,北川氏が非定常・非ガウス型モデルについて解説し,渡辺氏が非定常過程の予測について総合報告を行った。第2の柱は,共同研究者がそれぞれの立場から行った研究の交流で,時系列解析における非正規,非線形性の扱いに対する提言や経済時系列モデルでの検証,周期的なARMA過程という一種の非定常過程モデルについての考察,システム解析プログラムの提案と心電図解析のための非線形ARモデルの提案,工事の達成比率の時系列的変動の予測モデルの提案,long memoryのある時系列モデルの検定方法の提案,構造の変化する時系列モデルの提案等があった。第3の柱は,応用の分野における新しい問題提起や解析方法の試みの話をうかがい今後の統計的な研究発展のインパクトにしたいというもので,深尾氏に地球科学分野において非定常な周期成分検出のために提案されている存否法についての話を,松本氏には地震にともなう地下水位変動の解析のためのモデルの話をしてもらった。
以上いずれの研究報告も大へん興味深く,出席者からそれぞれに多くの質問や意見が出され,お互のアイディアの交換が有効に行われた。特に存否法については多くの質問や意見が出された。今回の研究会は,当研究課題の研究を今後進める上で大いに有益だったと思う。なおこの研究会の内容は,統計数理研究所共同研究リポート21としてまとめられている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

当研究課題に関連する研究成果は
統計数理研究所共同研究リポーリ21
「非定常又は非線形な時系列の推測に関する研究」
にまとめられている。
またいくつかの成果は,日本統計学会,日本数学会等において口頭発表する予定であり,日本統計学会誌,Annals of the Institute of Statistical Mathematics,Journal of Time Series Analysis等に投稿予定である。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

統計数理研究所においては赤池弘次所長,尾崎統教授ら多数の研究者がこの方面の研究を応用との接点において強力に進めてきておられる。これらの方々と,日本の他の大学等においてこの方面の理論的な研究を進めている研究者や他の応用分野の研究を進めている研究者が,できれば数回会合を持って互に密な意見や情報の交換を行い,今後の研究の方向をさぐりたいと考えている。なおこの際,いくつかのテーマについて分担して総合的に文献を調べ,広い視点からの勉強会も一部にとり入れたいと考えている。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

尾形 良彦

統計数理研究所

岡本 雅典

福山大学

尾崎 統

統計数理研究所

刈屋 武昭

一橋大学

北川 源四郎

統計数理研究所

国友 直人

東京大学

近藤 正男

鹿児島大学

酒井 英昭

京都大学

柴田 里程

慶應義塾大学

杉原 左右一

関西学院大学

竹内 啓

明治学院大学

田中 勝人

一橋大学

谷口 正信

大阪大学

佃 良彦

東北大学

豊岡 康行

福島大学

中野 純司

統計数理研究所

西尾 敦

明治学院大学

深尾 良夫

名古屋大学

細谷 雄三

東北大学

松本 則夫

工業技術院地質調査所

矢島 美寛

東京大学

渡辺 則生

中央大学