平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2006

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

生物群集の種多様性に関する統一中立理論の新しい展開

フリガナ

代表者氏名

ミヤシタ タダシ

宮下 直

ローマ字

Miyashita Tadashi

所属機関

東京大学

所属部局

大学院農学生命科学研究科

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

244千円

研究参加者数

14 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

自然界にこれほど多くの生物が共存できる共存機構の解明は長年にわたり群集生態学の中心的な課題のひとつである。それぞれの生物が独自の得意とする環境(生態学的ニッチ)を有するというニッチ理論が古くから信じられてきた。しかし、この理論ではそれぞれの生物の特性を考えるため、考えるべきパラメーターが非常に多い。近年になって、ニッチを仮定しなくても分散制限だけでも共存が可能になるという中立理論が提唱された。集団遺伝学において木村の中立理論がその基盤となっているように、生物群集の共存機構においても、中立理論はその出発点である。

本研究では、生態学の実証研究、理論研究、および統計数理を専門とする三側面の研究者で組織し、
1. 関連文献の集中的読み込みによる中立理論の近年の発展と課題の整理
2. 各自進行中の研究の紹介ならびに異なる側面からの意見・助言
3. 両者を踏まえた検討を行なう
ことで、中立理論における理論と実証の融合および統計学的サンプリング理論をひとつの軸に置く新しい理論の展開を目指した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

現在、当研究集会の情報源について公開していない。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

2012年12月頃まで、メールなどで最近の研究の動向や自身の取り組みなどについて議論を交わし、2月に研究会を実施することにした。当日は以下のような研究会となった。

2月18日
1. 論文紹介:Canard et al. (2012), Emergence of structural patterns in neutral trophic networks.
   長田穣(東京大学)
2. 論文紹介:Kondoh (2008), Building trophic modules into a persistent food web.
   立木佑弥(九州大学)

2月19日
3. 論文紹介:Peng et al. (2012) Dispersal and recruitment limitation contribute differently to community assembly.
   井上太樹(北海道大学)
4. 研究発表:「中立理論における群集構造の時間変化」
   鈴木崇規(東北大学)
5. 研究発表:「移動分散の進化モデル」
   入谷亮介(九州大学)
6. 研究発表:「フィールド生態学におけるモデリングの意義 及び approximate kernel Bayesian algorithmというパラメータ推定法について」
   島谷健一郎(統計数理研究所)
7. 研究発表:「観察誤差を考慮した群集動態モデル」
   深谷肇一(北海道大学)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

井上 太樹

北海道大学大学院

入谷 亮介

九州大学大学院

長田 穣

東京大学大学院

近藤 倫生

龍谷大学

塩野 貴之

琉球大学

島谷 健一郎

統計数理研究所

鈴木 崇規

東北大学

立木 佑弥

九州大学

辰巳 晋一

東京大学大学院

深谷 肇一

北海道大学

藤井 新次郎

琉球大学

真栄城 亮

琉球大学

三好 麻依

琉球大学