平成272015)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

27−共研−23

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

2

研究課題名

ゲノム, 医療データ解析のための機械学習アルゴリズムの開発とその理論的性質に関する研究

フリガナ

代表者氏名

マツイ コウタ

松井 孝太

ローマ字

Matsui Kota

所属機関

名古屋大学

所属部局

大学院医学系研究科 臨床医薬学講座 生物統計学分野

職  名

特任助教

 

 

研究目的と成果の概要

機械学習による,臨床データと遺伝子データに基づく疾患のリスク予測モデルの構築を目標に1年間研究を行った.
具体的には,遺伝的異質性(同一の疾患に罹患していても,患者毎に遺伝子の発現プロファイルが異なること.典型例としてはがんが挙げられる)に着目し,異質性の推定問題をデータ構造の推定問題と捉えて,推定アルゴリズムの研究及び,推定されたデータ構造を用いたリスク予測の検討を行った.遺伝的異質性を精度良く推定することで,亜病体分類やこれに基づく治療方針などの意思決定の場面において非常に重要な情報を提供することが出来るようになる.本年度の成果としては,正規混合モデルに基づく2方向クラスタリングによる異質性を有するデータ構造の推定手法を応用し,確率的な2値判別モデルによってリスク予測を行う手法を構成した.本結果を,2015年12月20日-22日の日程で開催された生物統計学系の国際会議 EAR-BC2015 (福岡) にてポスター形式で発表した (K Matsui, T Oura and S Matsui, "A Classification Method Based on Nested Normal Mixture Models with Cancer Outlier Profiles").