昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−7

専門分類

1

研究課題名

漸近展開の誤差評価

フリガナ

代表者氏名

シミズ リョウイチ

清水 良一

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

職  名

所長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

前年度にひきつづき,次の問題を扱う:ある統計量の分布関数〓をその極限分布Gで近似する際,Gを〓の第一近似とする漸近展開〓を考える。誤差〓を評価すること。最も簡単なケースでは,〓を満足する〓を定めること。


2つの確率変数σとXが互いに独立でσ>0のとき,確率変数η=σXの分布FをXの分布Gのscale mixtureという。σが1に近いときにはηの分布FはGに近いであろう。そこで,話をもう少し精密化してFをGの周りで展開することを考える。問題はこの展開を有限の項で打ち切った時の誤差の評価である。本研究では昨年度は非常に広い分布のクラスである正規分布のscale mixtureについてこれを行った。
本年度はまず指数分布,ついでもう少し一般にガンマ分布についてこれを行った。これには特性関数を使ってこれを展開したものを反転する方法と,分布関数を直接展開する方法があり,両者で相異なる展開が得られる。それぞれの展開について誤差の評価を行いその比較をした。これら2種類の展開は実はどちらの方法によっても得られることが確かめられたが,これまでの計算では分布関数を直接展開する方がよい誤差評価が与えられるようである。いずれにしても誤差はσの高次のモーメントで決る。これらの結果はXの分布Gがもっと一般の場合であっても,それが十分に滑らかであり,導関数が求められる限り容易に適用することができる筈である。
さらに,Xが1次元でない場合が重要であると考えられたが,これはかなり難しい問題を含んでいる。本年度の研究では極めて特殊な場合に限って若干の知見が得られたが一般の場合については解決の糸口が掴めたに留まり,今後の研究課題として残された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

口頭発表:藤越・清水 日本数学会年会(昭和62年4月)
1次元分布のscale mixtureの漸近展開
多次元正規分布のある種のmixtureの漸近展開
論文:Shimizu,R.投稿中
Expznsion of scale mixture okf the gamma distribution
発表予定:Fujikoshi,Y.and Shimizu,R.
Asymptotic expansions of some of the multivariate normal distributions and their error bounds(Research Memorandum,No.325,April,1987)
Error bounds for asymptotic expansions of scale mixtures of univariate and multivariatedistributions(Research Memorandum,No.329,April,1987)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度にひきつづき,次の問題を扱う:ある統計量の分布関数〓をその極限分布Gで近似する際,Gを〓の第一近似とする漸近展開〓を考える。誤差〓を評価すること。最も簡単なケースでは,〓を満足する〓を定めること。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

藤越 康祝

広島大学