平成282016)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

28−共研−6

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

7

研究課題名

ETASモデルの社会現象への応用

フリガナ

代表者氏名

フジワラ ヨシヒサ

藤原 義久

ローマ字

Fujiwara Yoshi

所属機関

兵庫県立大学

所属部局

大学院シミュレーション学研究科

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

自己励起型の点過程(self-exciting point process, Hawkes process)は統計地震学で活用されているが、社会現象にも応用が可能である。経済ネットワークにおける破綻の連鎖やストレスの伝播、社会ネットワークにおける情報カスケードの過程などを対象にして、ETAS(Epidemic Type Aftershock Seuquence)モデルを含む自己励起型点過程の社会現象への応用について研究を行うことを目的とする。

まず実証的なデータとして、企業のデフォルトに関する実データを収集してその整備を行った。具体的には、各業種に含まれる企業の倒産を事象のデータとして、その倒産が発生したイベントを日単位で観測して、その属性として倒産時の負債総額(企業のサイズ)などの情報を2013年度から2015年度までの3年間について整備した。次に、事象の属性としてそのサイズを解析して、それがべき則にしたがうことを見たうえで、そのべき指数や範囲などについて予備的な解析を行った。なお、同時刻(同じ日付)で事象の発生があることに注意する必要がある。一方、モデルとして、マーク付の点過程モデルの検討を行った。簡単なシミュレーションを実行して、事象の発生から読み解く事象間のネットワーク推定の問題を解くことができる見込みを得た。