平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−33

専門分類

4

研究課題名

女性の自立意識調査の分析

フリガナ

代表者氏名

タカクラ セツコ

高倉 節子

ローマ字

所属機関

東京国際大学

所属部局

人間社会学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

高齢化が急速に展開する今日、人々が心身共に健康で、調和的な社会を築いていくためには、女性・男性共に、青年・中年の時期から、自立の意識を持って生活していく事が重要な要件の一つと考えられ、この為、男性との対比において、女性の自立意識調査を行い、属性による差異と共に、意識構造を分析し、将来に向けての意識変容の鍵を探る事を目的とする。


女性の自立意識に関して、本年度は、予備的段階の調査・分析に終わった。
予備的段階の分析として、A.新聞記事の分析,B.予備調査として、数十名からの聞き取り(或いは、記述)の調査を行った。
A.新聞記事の分析:一般的に、”自立”という語をどのような文脈の中で用いられているかを、新聞の記事を抽出する事によって分析した。新聞の種類によって量、内容共に差異が大きいが、一応、日経新聞( '93.1-'93.9)の中から抽出した164件の記事について分析した。自立の主体、及び、どのような状態を自立として記述しているかについて、それぞれカテゴライズし、数量化3類等を援用し、分類を試みた。新聞の性格上、企業に関する自立の記事が多く、女性の問題は3位であったが、主体の差異に応じて自立を表現する形容語も異なり、大まかな自立の概念を把握する事ができた。
B.予備調査としての聞き取り(或いは記述)による調査 短大生,ビジネスマン,専業主婦,(各10人前後)に対し、自立のイメージ(男の場合、女の場合),阻害要因,自立願望,等を問うてみた。その回答をカテゴライズし、数量化3類を用い、カテゴリーの位置づけをみると、男性における自立と女性における自立とでは、イメージが異なっている事が理解できた。
本年度は以上の予備段階に留まり、次年度の調査に期している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

(平成6年度の本調査終了後、「行動計量学」に発表予定)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

自立意識の調査については、有意義な成果を得るため、調査の実施に当たって、分析をも見通した周到な計画が必要であり、この点に関して貴研究所の教官の協力、助言が必要である。
更に、分析については、属性(性、年齢、学歴、職業等)による差異と共に意識構造を解明するため、数量化3類、対数線型モデル等の適用を始め、要因構造と外的基準とを絡み合わせた分析も必要であり、この点に関しても貴研究所・教官の協力による多変量解析の方法の適切な適用や新たな分析手法の開発も、極めて必要な事である。
女性の自立意識に関しては、数種の調査が行われているが、統計的な種々の方法を用いた分析は余り例がみられず、この研究によって、統計的方法の活用により深層構造を解明し、意味のある結論を見出す事ができれば、社会への貢献をもたらすものと考える。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

鈴木 達三

帝京平成大学

福田 泰子

東京女学館短期大学

藤巻 静代

松蔭女子短期大学