平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−54

専門分類

7

研究課題名

歯および歯列に関する統計学的研究

フリガナ

代表者氏名

ミウラ フジオ

三浦 不二夫

ローマ字

所属機関

東京医科歯科大学

所属部局

職  名

名誉教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

調和のとれた咬合の確立をめざす歯科矯正学において,咬合を形づくる重要な要素として歯およびそれらの集合した歯列がある。これらの要素の相互関連性を統計学的に分析し,不正咬合の診断や治療に対し有効な指針を与えることを本研究の目的とする。


咬合を形づくる重要な要素である歯および歯列の相互関連性を統計学的に分析し、咬合の成立に関して歯の大きさが調和という面からどのように関与しているかを知ることは、不正咬合の診断や治療に対して、有効な指針を与えるものと考えられる。
前年度までは不正咬合者のデータに対して統計的分析を試みてきたが、今年度は新たに、正常咬合者のデータを分析し、歯冠近遠心幅径値からみた相互関連性という観点から検討を行った。新たなデータとして東京医科歯科大学歯学部矯正科所蔵の正常咬合者の顎態模型のうち80人の成人女性を資料とし、上・下顎左側の中切歯、側切歯、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯の計14本を対象として、歯冠近遠心幅径値を計測した。
なお、これらの計測部位や計測方法は、不正咬合者において用いられたものと全く同様である。解析方法としては、基本統計量、単相関、主成分分析、正準相関分析、クラスター分析等の手法を用い、正常咬合者のもつ歯の大きさの個人内における相互関連性をとらえ、さらに解析結果に基づいて、不正咬合者との比較を行った。
その結果、歯の大きさには咬合を構成させるために、正常咬合、不正咬合の両者に共通するいくつかの基本的な関係が存在するが、同時に、正常咬合者には調和のとれた咬合を成立させると思われる成分が存在するものと考えられた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

飯田忠夫 「歯冠近遠心幅径値からみた歯の相互関連性」口腔病学会雑誌 第58巻第2号 平成3年6月30日発表


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

平成2年度は,前年に引きつづき,東京医科歯科大学歯学部矯正科所蔵のデータから,歯の大きさに加えパノラマX線写真から歯の萌出順序と歯列の咬合状態との関連性を検討した。その結果歯の萌出順序が種々の咬合状態の形成に歯の大きさとともに複雑に関与していることが判った。
これらのことから,平成3年度は,さらにパノラマ写真からのデータと正常咬合者からの歯およびX線写真を追加し,これらのデータを基に歯の大きさ,歯の萌出順序と顎骨の大きさが歯列の咬合状態に及ぼす関連性を大型計算機を用いて統計学的に検討する所存である。それにより矯正臨床における不正咬合者の診断や治療に有効な指針を与えることが可能となるものと考える。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

飯田 忠夫

飯田矯正歯科医院

小西 貞則

九州大学

小林 郁子

東京医科歯科大学

酒井 悦子

東京医科歯科大学

杉浦 成昭

筑波大学

杉山 高一

中央大学

鈴木 義一郎

統計数理研究所

相馬 邦道

東京医科歯科大学