平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−8

専門分類

1

研究課題名

加法過程に関連する諸問題

フリガナ

代表者氏名

シムラ タカアキ

志村 隆彰

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

16 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

加法過程の研究はブラウン運動や安定過程といった代表的なものを対象にする段階から、より一般のものを扱う段階にきている。昨年に引き続き、時間発展に伴う様々な性質、作用素安定分布、(広義)安定過程などを研究対象にし、それらについてのより深い結果を得ることを目的とする。


昨年に引き続き、この共同研究では加法過程に関連する様々な問題を扱った。加法過程は確率過程の中ではもっとも基本的なものといえるが、未だに多くの興味ある問題を残している。それらは多岐に渡り、まとまった概要を述べることは困難であるが、今年度は再帰性、過渡性の判定条件をはじめとする見本関数の大域的な性質を中心に、無限分解可能分布の単峰性や極限定理と関連した緩慢変動性で特徴付けられる分布族の性質といった分布論、対称安定定常過程の多重マルコフ性および分布に関する決定性などについての結果を得ることが出来た。その成果は1995年1月20日〜22日に統計数理研究所内で開催された研究集会などで発表され、下にあげた共同研究リポート「加法過程の諸問題(2)」に収められている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

M.Yamazato, Strongly unimodal distributions of class CME. 投稿中
T.Watanabe, Sample function behavior of increasing processes of class L. 投稿中
T.Shimura, The product of independent random variables with slowly varying truncated moments. 準備中
統計数理研究所共同研究リポート 加法過程の諸問題(2) 1995.3
古城 克也 後退移動平均表現で表される対称安定定常過程について
佐藤 健一 加法過程の強過渡的と弱過渡的の判定条件
崔・佐藤 Recurrence and transience of semi-stable processes
志村 隆彰 Distributions with slowly varying truncated moments
渡部 俊朗 クラスLの増加過程の見本関数の挙動 以上、日本数学会 95.3.27 他

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

加法過程は、古くから研究されてきた、確率過程の中でも基本的なものであるが充分に内容豊富なものである。本研究では、特殊なケースであるブラウン運動や安定過程などではなく、より一般的な加法過程を研究対象にする。これは自然な流れであり、これまで特殊な場合では見逃されてきた性質を探求することで、より深い理解を得ることが出来るという点で極めて重要である。
昨年は、時間発展に伴う様々な性質や(広義)安定過程に関して、いくつかの成果を得る事が出来、これらは本研究所で行われた研究集会などで発表された。(共同研究レポートとして発表予定)今年はこの方向を基本的に継承しながら、一層の進展を目指すとともに、研究対象をさらに広げていきたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

笠原 勇二

お茶の水女子大学

古城 克也

新居浜工業高等専門学校

佐藤 健一

名古屋大学

佐藤 由身子

愛知工業大学

高嶋 恵三

岡山理科大学

竹中 茂夫

岡山理科大学

田中 洋

慶應義塾大学

Choi Gyeong-Suck

名古屋大学大学院

中津 真

広島大学大学院

平場 誠示

大阪市立大学

前島 信

慶應義塾大学

森 俊夫

横浜市立大学

山里 眞

琉球大学

山室 考司

愛知江南短期大学

渡部 俊朗

会津大学