昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−54

専門分類

6

研究課題名

電波干渉計データに基づく統計的画像形成処理

フリガナ

代表者氏名

イシグロ マキオ

石黒 真木夫

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

電波干渉計データには,系統的あるいは非系統的な誤差が含まれている。そのため,電波干渉計データから電波源画像を合成するには,そうした誤差を考慮した統計モデルを開発する必要がある。本研究では,2次元電波源分布を推定するための統計モデルの開発と,そのために必要な事項について研究する。


[2次元電波源分布の推定]
昨年度までの研究によって電波干渉計データに基づく電波源分布推定の統計学的に満足な扱いがいかにあるべきかは,すでに明かになっており,対称が1次元分布である場合には計算量も過大になることなく天文学的に意味のある結果がえられるようになっていた。同じ方法が2次元電波源分布の推定に対しても適用できることは原理的にあきらかであり,実データによる実証的な有効性の確認を待つばかりである。今年度の研究でこの点の究明に努めたが,現在の統計数理研究所の計算機を使用して,電波天文学の立場からみて実用的な精度の2次元電波源分布推定問題を,統計学的に満足すべき形で解くのは難しいという結論を得た。今後高速な計算機が導入されれば研究が進展するのは明かであるが,ハード面での性能の向上を待つばかりでなく,今後は近似的な計算法の研究を含めた計算量を節約する手法の開発にも努める必要があると考えられる。
[3次元clean法によるメーザー天体の位置決定]
次元としては1つ上がった3次元の問題であるが,仮定されるモデルが空間的には点電波源,周波数方向にはガウス分布という単純な形をしているために,計算量が少なく,電波天文学的にも統計学的にも意味のある推定法を構成することができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

小林秀行・石黒正人・森田耕一郎・石黒真木夫「電波干渉計における3次元clean法」,日本天文学会1987年秋期大会


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

現在まで,誤差をホワイトノイズであると仮定して,画像を合成する方法を開発してきた。ところが,大気の揺らぎといった系統的な誤差の影響が予想以上に大きく,解像力をあげるために,系統誤差を明示的に取り扱う必要が生じた。本年度は,系統誤差に関する研究を中心に進める。
研究は全員で連絡をとりながら進めるが,観測は野辺山宇宙電波観測所のメンバーが中心となって実施し,解析方法の開発は統計数理研究所のメンバーが中心に行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 正人

国立天文台

柏木 宣久

統計数理研究所

春日 隆

国立天文台

田辺 國士

統計数理研究所

近田 義広

国立天文台

森田 耕一郎

国立天文台