平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−54

専門分類

6

研究課題名

強震計記象に基く震源等価物体力と地盤動特性の同定

フリガナ

代表者氏名

トミサワ ミノル

富澤 稔

ローマ字

所属機関

東京理科大学

所属部局

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地震断層における被壊過程が確率的であるとすると,断層面表裏の変位差に起因する擾乱は白色の等価物体力で表現でき,地表面で観測される地震動は,多次元時変ARMAモデルの見本波形となる。(富澤「地震2,42−3」掲載予定)
本研究は,地震記象を観測値として,3次元時変ARMAモデルのARおよびMA係数行列ならびにイノベーション過程共分散行列を固定し,それらに基いて,観測地点近傍の地盤動特性および震源の等価物体力を推定しようとするものである。


平成2年度の作業として,強震記象をディジタル・フィルターによって補正した後数値積分した速度波形に,TIMSAC−74を適用しARMAモデルを定め,得られたARおよびMAパラメータを使用して,ARMAモデルに等価なシステム方程式のシステム・ノイズを同定した。
この結果を使って,目的とする震源に因る等価物体力の共分散行列を計算するには,地震断層形成時の地殻の固有モード・ベクトルが必要であり,これの推定を平成3年度以降に行う予定である。
従って,研究自体は今後継続の予定であるが,統計数理研との共同研究としては,上記システム・ノイズの同定段階で一応の区切りとしたい。地殻の固有モード・ベクトルの推定ができ次第,その時点で新めて,共同研究の申請を行いたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究継続中であるので,発表予定はなし。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究の成果は,非定常なベクトル値観測波形に基いた多次元時変ARMAモデルのパラメータ同定の精度に,第一義的に依存する。この同定演算は,多次元時変ARモデルの場合に比べ,格段に困難であり,必要な精度を以って遂行できるのは統計数理研究所の他にはないと判断される。
本研究における作業分担としては,強震計加速度記象を数値積分した速度記象の提供は東京理科大学側が行い,それに基いた時変ARMAモデルのパラメータ同定までを統計数理研究所側が担当し,得られたパラメータの数値的処理および地震工学的解釈については東京理科大学側が担当する形を採りたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北川 源四郎

統計数理研究所

樋口 知之

統計数理研究所

松村 恒夫

東京理科大学